f_の日記
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台風が去って
それでもまだ少し風が強い

この風は何処から来たのだろう
とおい海の果ての小さな島の
夜のとばりを越えてきただろうか

木々や草花を撫で
いつかの船の帆を揺らしたろうか

ときに空の上
いまはすぐそばに

頬を撫で
シャツをはためかせてまた

おまえは何処へ行くんだ

風よ

2004年06月22日(火)



 

どうして人は
傷つけあうのだろう

笑いあいながら
目に見えないナイフで

時には反駁のまま
こぶしを振り上げて

銀色の懐中時計に
月が落ちて
喪ったような夜
僕らの

少しずつむしられた
白い羽根が散る

ただその悲しみは
未来のためだけに赦されていて

たぶんただ
未来のためだけに

そう思うことで
眠れない夜を

そう思うことで
せめてもの贖罪を

時のかんぬきの箱
ほんの慰めのためだけに

2004年06月16日(水)



 すまない

子供みたいに
心のまま愛を語れない

あの人のためにと
去り往くこともできない

たばこをふかしながら
ただ

よこを向いたままで
すまない

2004年06月13日(日)



 流れ

伝えたい
つながりのない君へ

単純な想いも違う
ただ曖昧な存在の中で

有無のない
秒針の狭間

虚ろなる怪人の仮面の下

伝えたい
明け白む幽谷の

音のない
厳かな流れの中で

2004年06月02日(水)
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