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鈴木君たちのシュールな一日
信井柚木
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2002年08月29日(木)
行き先不明。

・・・見ぃ〜たぁ〜なぁ〜〜

 ある日、扉を開けると、そこにいた逆さテルテル坊主に凄まれてしまった。
 鈴木はごく当たり前のように、
「失礼した」
 謝罪し扉を閉める。

 ガチャリ

「・・・なぁ、今逆さテルテルがノーマルテルテルの首絞めて・・・」
「何を言ってるんだ。テルテル坊主の首は元々締まっているだろう?」
「いや、ありゃ間違いなくロープで絞めてるところ・・・」
「じゃあ、作ってる最中だったんだろう」
「なんか、断末魔の痙攣ぽく・・・」

∞・∞・∞・∞・∞

 ガチャ!

 ――ガガガガガガ・・・!!

『▲◎※*●∞#×☆!!』
「何ボーッとしてんだ、危ねぇだろうが!」

 ガチャリ

 ゼェゼェ・・・
「タコがマシンガン乱射する時は、便利そうだよな。一度に幾つも持てるし同時に撃てる・・・なるほど」
「今見えた光景に納得してんじゃねぇ」
 息を切らしながら、佐藤はげんなりとへたり込みそうになった。

∞・∞・∞・∞・∞

 ガチャ!

「・・・なぁ、葬式だぞ。お悔やみ言わなくて――」
「いいんだよ。スルメの葬式なんざ。とっくにミイラだろうが」
「それはそうだな」

∞・∞・∞・∞・∞

 ガチャ!

 ウィーンガシャン、ウィーンガシャン・・・

「なるほど。日本酒はこうして瓶詰めされているんだな。見事なオートメーション――」
「感心して眺めてんじゃねぇ。どこの工場で信楽焼きのタヌキが労働に勤しんでるってんだ」

∞・∞・∞・∞・∞

 ガチャ!

『今の心境をどうぞ!』
『何か一言お願いします!』
「間に合ってる!」

 ガチャリ

 後ろから手を伸ばした佐藤が無理矢理扉を閉めると、鈴木が感心したように口を開いた。
「国語辞典の集団に突撃インタビューかまされたのは初めてだ」
「俺もだ。
 ていうか、いつになったら俺たちいつもの視聴覚教室に入れるんだ・・・?」
「さぁな」
 時折遭遇する現象に行き当たり、佐藤は既に諦めモードだった。
「・・・あと何回で決着が付くんだろうな」
「確か、今までの最高は十一回くらいだったか?」
「細かくカウントして、しかも覚えてるんじゃねぇ」