「心こそ 心まどはす 心なり 心に心 心ゆるすな」
東北関東大震災の、一日中流れる過酷な画像から少し離れた。 ネガティヴなデマが飛び交うツイッターを少し離れて眺めた。 そして心、鎮めて「流跡」を読みはじめた。朝吹真理子さんのデビュー作品である。
心がざわつくのは震災のことばかりではない。 厳しい画像の見過ぎで体調まで崩した老いた母のこと。 常に観ていないと倒れてしまう17歳の老犬のこと。
まさに「流跡」の冒頭のように、本を読んでも字が流れていくばかり。 それでもあやかしの朝吹世界を流れていった。 心が水のように流れだした。
しかし苦しげにあえぐ犬を目の前に本を閉じ、介護する。 心が暴れてはいけない。
犬が眠りにつき、何時間かぶりにネットを開いたら、しかし「光」は鈍くともそこにもあった。 武道家・甲野善紀さんのツイートにあった言葉である。 一休禅師の言葉だ。
覚悟を決めよう。 言葉を書いていこう。
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