散歩主義

2008年06月12日(木) 風の回廊

早朝、雨が降っていたことをどれだけの人が知っているんだろうな。
昼下がりにそんなことを思った。

少し蒸し暑い午前、強い日差しの乾いた昼、爽やかな風が吹き抜けた夕方、半袖だとひんやりとする夜。
起きた時間と過ごした場所で、人によって今日という日はまったく違う日として感じられるんだろうな。

今日ほどではないにしても、毎日、刻々、同じ世界、同じ町、同じ建物に住んでいても人が受ける感覚は一つとして同じものはないんだろうけれども。

だから余計に、同じように感じる人がいるということが奇蹟のように思える。例えば風の質感だとか、黄昏の空気の色だとか。

夕方、犬と立ち尽くしていたのは風の回廊のような街でした。


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にしはら ただし [MAIL] [HOMEPAGE]