散歩主義

2008年05月12日(月) 日頃の行い!!ちゃん、ちゃんっ。




京都という街は大学が多い。
数なら東京が多いに決まっているんだけれど、街の広さや人口の割からいくととても多いと思う。

 おかげで市や府の図書館よりも大学図書館の方が、市や府のホールよりも大学のホールの方が立派だ。

 街には多くの学生が住み、多くの「センセイたち」も住む。
だから古道具や古本が結構街にあふれている。
運がよければ、ただで手に入る。

「もう必要ないし(卒業やし)、読まへんから(使わへんから)これやるよ」というパターンである。
また、あふれる本を整理し、古本屋に頼んでも二束三文にしかならないなら読みたい人にあげよう、と家の前に並べる「センセイ」や「ガクセイ」や「インセイ」もいる。
 で、「ご自由にお持ち帰り下さい」という張り紙とともに本(や古道具)が並ぶのだ。3月、4月は大学の近所で結構多い。

 我が家も大学のすぐ近くなので、いろいろなものが街に「落ちて」いて、学生諸君がリヤカーでそんな戦利品を運んでいるのををよく見かける。

 今日はいい日だった。
涼しい風の吹く路地に、女子学生と男子学生が本を胸一杯に抱え、路上を舐めるように見つめていた。
 おお!!本だわさな。「ご自由にお持ち帰り下さい」だ!!!
 駐車スペースにブルーシートがしかれ、そこに本がどっさり並んでいた。自転車を止め、物色の輪に加わる。

 すでにいくらかの本は持ち去られている様子。しかしまだ分厚い本がごろごろあるぞよ。

 画像が戦利品。
●ディラン・トーマス「詩」
●ポー全集3…全集のうち詩だけを集めたもの。
●稲垣足穂作品集…おもだった全作品がおさめられている。
●林静一「儚夢」…画集
●フェルメールの世界/小林頼子

 新刊で買えば総額でたぶん一万円ぐらい。ディラン・トーマスとかポーの全集は手に入りにくいはず。林さんの画集も貴重。これがタダ。

 このほかにも梅棹さんの本も多数。たぶん「センセイ」の書棚が整理されたのだろうと推察する。

 夜、家に帰ってから本を眺めていると文庫本主義者がやって来た。
「道に本があったんやけど」というのでディラン・トーマスの本を見せて、にやりとしてやった。
「ふーん、ええのんをもろたんやな」という彼女の戦利品は
●「道頓堀の雨に別れて以来なり」上・中・下/田辺聖子
分厚い文庫本が三冊だ。

 たぶん明日の朝になれば一冊も残っていまい。幸運だった。
 ありがたやありがたや。
 これも日頃の…。

ちなみに画像に一緒に写っているのは「Heart Station/宇多田ヒカル」。
彼女の音楽はずっと聴いているけれど、ぼくの中ではこれが彼女のベストです。
 個人的には「歴史的名盤」とさえ。最近、こればかり聴いてます。


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