村松友視さんの「淳之介流」を読み出しました。 以前から、村松さんが書いていることをいろんなところで宣言していた本です。
村松さんは中央公論新社の編集員でおられたころ、今ではもうなくなった文芸誌「海」で吉行淳之介担当でした。 だからでしょうか、吉行さんの呼吸、体温が伝わってくるような本です。 このように書かれた本はありませんでした。
「男として」という冠付きの「生き方」のスタイルだとか、講釈なんて大嫌いだったはずの吉行さんの(ぼくの勝手な想像ですが) 「やわらかさ」が強い胆力で裏打ちされていたのだなと感じながら読んでいます。
絶対、上から人を見下ろす人ではなかった。 「白洲次郎と正反対の人物」という記述にはおもわず膝を打ちました。 当分、持ち歩く本になります。
●淳之介流…やわらかい約束…村松具視 河出書房新社
|