自分に向日性のようなものが芽生えたのは、自転車ロードレーサーを乗り回していたときだった。 ある日、光の中へ飛び込んでいく感覚にとらわれ、魅了されてしまったのだ。それ以来、それが味わいたくて何度も、似たシチュエイションを選んで走っている。
車でもバイクでも感じることだけれど、自分の脚で回転しながら飛び込んでいく感覚は独特のものだろう。 あるいはジョガーのかたもこんな感覚を味わうのかもしない。
ぼくと父は同じ趣味はなかったけれど、脚を使って光をめざすという点では似ていたかもしれない、と最近思う。 父は登山が大好きだった。それもかなりのマニアだったから。
だから、というわけではないけれど光を感じる画家が好きだ。 (しかし、色彩を操る人はみな光を見つめる人なのだろうと思うけれども。)
ぼくが好きなのはフェルメール、マティス、ワイエス、モネなどだ。
それを眺めながら、言葉が流れてくるのを待っている。
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