毎朝の散歩には、路上に落ちているさまざまなものと出会いがある。 紫色の雲。黄金の朝日。真っ白な月。椿の花。
綺麗なものばかりじゃない。 酔っぱらいの反吐。踏みにじられて粉々になったケータイ。コーラとマクドナルド。コンビニ経由の様々なレトルト容器。 時々、見るに見かねて道の端に片づけるときもある。 夏はこれに燃え尽きた花火が加わる。
高価なものはあまりない。 今までで一番高価であろうとおもわれるのは、カルティエの時計だった。 あとは財布かな。 交番が通り道にあるので、すぐに届けることができる。 すべて落とし主に戻っていった。
途中、公園によるのだけれど、ここに落ちているのが子供の忘れ物。 手袋、帽子、縄跳びの縄、ボール、ショベルなど シーソーの上とかブランコの上など目立つところに置いてやる。
拾うこともある。 主に木の実。それと壊れたものだけれどおもわず拾ってしまったもの。
今朝、何かからはがれ落ちた陶製の小さなウサギと出会った。 間の悪いことに、目が合ってしまった。 ずっとポケットの中にいる。
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