散歩主義

2007年01月24日(水) その歩き方をお手本にして

近所にゴールデンレトリーバーと暮らしているご夫妻がいる。
お二人ともぼくぐらいの年齢だろうか。日本人の奥様と外国人の旦那さん。
犬も年をとり、旦那さんの髪の色と同じ金髪だったのが、そろって白くなってきた。

このお二人の歩いている姿がとても美しい。犬を無理に引っ張ったり、引っ張られたりしない。とてもゆっくりと犬の歩行にゆだねて歩いていくのだけれど、それはただただ優雅といいたくなるものなのだ。

たいていの飼い主は犬をコントロールすべく逞しく、少々荒々しいぐらいの力強さで歩く。
小さな犬であっても、ちょこまかとした動きを制御すべくリードをぴんっとひっぱったりする。

この人たちには、それが皆無なのだ。
ゆっくりと、犬にすべてを任せている。
それでいて無軌道に歩いているようにみえない。
背中を伸ばして犬と自分を「含めて」向こうを見ているような雰囲気がある。

その歩き方がぼくのお手本である。
犬の散歩だけではない。生活の隅々まで、その目には見えないけれど静かな「確かさ」で潤していたいと思うのだ。

体調が優れなかったり、時間に追われていたりするとどうしてもハナの散歩が粗くなってしまうときがある。
いやいや、だから散歩だけじゃなく、生活の一番手先のところががさつになるときがあるのだ。
それが、じわじわと生活そのものの質を台無しにしそうになる。

それに気がついたとき、彼らの歩き方をおもいだす。
自分の心に左右されない、落ち着きだと思えるのだ。
ゆったりとした呼吸、まっすぐな背骨、力の入っていない肩、そこから入っていく。
そうすればずいぶん変わる。
それだけでずいぶん優しくなる。

今日の夕方の散歩は、そのイメージを強く持って歩いた。
結果は○だった。
ハナがとても「いい犬」になる。
やはり風邪でずいぶん粗くなっていたんだな、と確認。

明日、妹ととても大切なランチミーティングがある。
いつもにまして「あの歩き方」を心に描いて臨みたい。
胸を反らさず、背骨はまっすぐに、ゆっくりと呼吸をして…。


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