2006年11月15日(水) |
夕暮れの音楽を与えられ |
美しい秋の夕暮れだった。 用事がひととおり済んで、ラジオを聴きながら視線を夜に流していた。
ストリングスをバックに唄われる、茅ヶ崎のだみ声のバラードが心地よかった。 メルマガの短い小説を書き終えたことで、すっきりしているからか。
これから合間を縫って「夢を与える」(綿矢りさ)を読んでいく。 ずいぶん長い。 冒頭部分からの展開を読んでいて、物語が丹念に積み重ねられている印象をもった。
回顧だとか、カットバックなどはない。まっすぐに続く女の子の成長物語でもある。その尺の長さに見合う丹念さ、といえるとおもう。
かわいらしさ、欲深さ、優しさ、残酷さそれらの要素が淡々と同じ面に並べられ語られている印象がある。 三人称であるがゆえの、作者の作中人物との距離の取り方をみてみたい。
まだまだ先は長い。今から読後感が楽しみである。
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