散歩主義

2006年09月02日(土) 「人称」のこと

小説をいくつか読んで、「人称」で内容ががらりと変わることを考えていた。
昨日書いた多和田さんの作品は一人称だった。小池昌代さんの「タタド」は三人称だった。どちらがいいとは言えないけれど
この二つの作品は人称を変えて書かれたら、ずいぶん変わるだろうな、と思った。

長嶋有さんは男性だけど女性の一人称でも書く。村山由佳さんは女性だけれど男性の一人称でも書く。
村上春樹さんは一つの作品の中で人称を変えることがある。大江健三郎さんにも女性の人称で書かれたものがある。

たぶん作者にとってその人称でなければ書き得ない作品なのだろう。
それは読者の感覚と必ずしも一致はしない。
三人称で書かれた物語を「人ごとみたいだな」と感じると、いっぺんに白々しくなってしまう。
また一人称で書かれたものに過剰な思いこみを感じると、辛くなる。

「どこから見ているのか」
そのことを考えていた。


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