「デッドエンドの思い出」読了。 この短編集の最後に収められていた表題作に作者の思いが噴き出しているように 読めた。文章が少しくどいくらいに。 それだけこの作品は書かずにいられなかったのだろうなと思う。 自分を大切にすることが真正面から、作者自身に言い聞かせるようにきっちりかかれていた。
加川良の歌にあったな、と。あなた自身を大切に、私自身を大切にという歌。 そんなことを思い出していた。
続いて短編アンソロジーの「翳りゆく時間」を読み出す。先頭は江國香織さんの 「リンゴ追分け」。頭の中の風景、そこの空気の感触がさぁーっと「江國色」に染まる。 ああこれは江國さんだなとすぐに反応した。 なんとも鮮やかな物語の切り取り方。まさにSudden Fictionqだ。
文庫本主義者はぼくが以前読んだ車谷長吉さんの「赤目四十八滝〜」を読み終えたところだ。 一晩で読み終えた。 「併し」の多さにと惑ったけれど、文章はよみやすかったという。 どろどろしていると思ったけれど、実はとてもすっきりしている、と。
じゃあ、文庫の「金輪際」も読む?と聞いたら、首を横に振った。 彼女は一人の作家を読み出すと、いつも手にはいるだけの文庫を全部そろえて 一気に読んでいく。 珍しいねというと、「苦手じゃないけど、重いから」という。
一連の車谷作品にみられる「無一物の者」からの視点というのは、 昔のぼくの書いたものにあったという。 だけど案外ね、と彼女は続ける。 「あんたは「そうじゃないほう」が、あんたらしいんじゃないの」という。
そうかもしれないけれど、自分ではわからない。 どの視点で書くか、ということは考えているけれど。
吉田修一さんの文庫が届いたので 「最後の息子」から読み出す。
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