春らしい暖かな日。 日射しが素晴らしい。ようやく、という気がする。 桜もあっというまに満開宣言がだされた。 それでもうちの近辺だとかは五分咲きだし、山のほうはこれからだ。
フリオ・リャマサーレス「黄色い雨」を読み続ける。 どこに行くにも手放せなくなり、空いた時間には必ず目を通し続けた。 午後9時50分ごろ読了。
凄い本だった。今年、読んだ本の中でも読後に残った強烈さはいちばんだった。 これほど徹底的に孤独で、哀切で透明な物語はあまり読んだ経験がない。 断章で構成されていて、その一つ一つの積み重ねで全体の小説が成立している。
スペインの風土が書かせている面もあるのだろうか。 日本の作家にこんな乾いた透明感は書けないかもしれない。
キャリアのスタートは詩人だったフリオ。彼へのインタヴューも訳者の後書きにある。 一つだけ書いておくと 「自分にとって詩は祈りのようなものですが、祈りに似た思いを散文でも表現できるようになったので 小説や短編、紀行文を書くようになったのです」
凄い読書体験だった。もとより読書体験は人間を変え、作り上げていくものだけれど 今回のものはなにか「決定的」な気がしている。 凄い本だ。 読み終わって、ぼくはずっと愛犬ハナの体を撫で続けていた。
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