散歩主義

2006年03月22日(水) ヨコハマ

雨の降る薄ら寒い日だった。

久しぶりに陳信輝のギターを聴いた。
今は亡き兄のヒーローだった。兄と二人でクリームのホワイト・ルームをon timeで聴いたのが中学生の時だった。それから二人でロックとジャズを漁るように聴きだした。
二人の好みはどんどん離れていったけれど、ピタリと一致する趣味もあった。

それがフード・ブレイン。
ギターが陳信輝、ベースがルイズルイス加部、ドラムスがつのだひろ、キーボードが柳田ヒロ。
このグループの作品を聴いて混沌から生まれる信じがたい一瞬を経験した。
明らかにフリーセッションの生み出すものに焦点を当てた作品だった。
陳信輝のアプローチは明らかにジャズの影響が強く出ていて、それもインプロヴィゼーションの域に達していた。

はるかに時代が下り、もはやギターを置き、ビジネスマンとして辣腕をふるう彼にインタヴューした記事がかつてのブルータスに載っていて、それによるとやはりローランド・カークなどを熱心に聴いていたという。

兄は高校の時からドラムを叩きはじめ、結構なとこまではいったと思う。
かつてふたりで熱を上げていた作品を聞きながら、その頃の事を思い出していた。
そして作品の変わらぬ新しさに改めて感心もしていた。
ぎりぎりまで自由を標榜した精神の生み出したものは、いつまでもスリリングなままだ。

だから「ヨコハマ」は憧れだった。
亡くなる前に兄はそこで暮らしていた。



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にしはら ただし [MAIL] [HOMEPAGE]