気ぜわしく年末が過ぎていく。今年は寒さが厳しい。 谷崎潤一郎「蘆刈」「春琴抄」再読了。
語りながら書かれていると観じて読む。特に「蘆刈」。 この作品には私家版があって、それは谷崎直筆の毛筆で書かれたもの。 日本の古典文学と同じスタイルをあえて昭和という時代におこなった。
「蘆刈」は地の文と会話の文が融けあっていく。そして渦となり、夢まぼろしのような結末に行き着く。語り手が消えていくのだ。これは能ではないかと読後に感じた。
「春琴抄」は有名だけれども、今回は雲雀が飛んでいくヴィジョンを思い描いた。そして佐助に寄り添うように読んだ。これも「語りの小説」である。
家をがさごそと捜したら近代日本文学全集がまだあった。昭和30年代のもの。早速谷崎の巻を取り出し「刺青」を読んでしまう。 次は「細雪」。もう一度読もうと思う。
ぼくが彼の作品でとことん感心するのは会話の美しさと文章のリズムである。 短い作品にもすぐれたものが多く、これは全集にあたらなければ手に入らない。
今日、たまたま古書店をのぞくことがあったので全集を捜してみたら、例の「森鴎外全集」と「永井荷風全集」がそろっていた。 思わず手が出そうになった。谷崎全集はなかった。
今日、年賀状をだした。
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