| 2005年02月20日(日) |
セロニアス・モンク的ネット |
サイトやブログで作品を発表するということは、たぶん最後まで未完成のままなのだろうな、と思った。 ネットというのは完成形ではなく、常にフロートするものだから、これで決定というのはあり得ないし、作ろうとしても無理だと思う。
というのは、今あるコンペのために原稿を書いているのだけれど、読み手が決まっている媒体、あるいは肉声がそのまま形になるメディアこそが、一応閉じた姿であって、ネツトは常に開いたままだと思うのだ。
これはジャズ的な感覚に近い。 同じ演奏は二度とない。他の音楽も厳密に言えばそうなのだろうけれど、意志としてはずそう、崩そう、自由であろうとするのはジャズの特有の考え方である。 ロックはだいぶ前にジャズ的なものも取り込み済みだから、そういう演奏も多いけれど。
で、他のブログでセロニアス・モンクの「セロニアスヒムセルフ」の感想を少し以前に書いたんだけれど、いちばん肝心な部分を書き忘れいた。 それがまさにジャズの真骨頂というか、ネツト上の作品のあり方と結びついているんだ。
ただ、これはCDのみについているボーナス・トラック一曲の話なんだけれど。 一曲といっても長い。なんと21分39秒もある。 演奏されているのはモンクの傑作「ラウンド・ミッドナイト」。
これはよほどジャズが好きな人か、モンクのファンでないと聴くのを止めてしまうと思う。ミュージシャンの人なんかはどう聴くかなあ。
このアルバムはモンクのソロピアノだから、ソロでなければ出来ないアプローチを様々に試みるのだけれど、普通のテイクで6分38秒である。 つまり、このボーナストラックはモンクが自らの代表作の演奏のための試行錯誤がほとんど全編収められているのだ。
プロデューサーのオリン・キープニュースはこう書いている。 …モンクが代表作「ラウンド・ミッドナイト」の個人的に満足できるヴァージョンを作ろうと、彼一流のやり方を展開しているところを収めたもの。 何度かのスタート・ミス、途中放棄、不完全なテイク、時折まき散らされるモンクと私のコメントからなっている…
まさに彼の言うとおりの録音が収められている。 ネットもそうじゃないかなあ。
ネットの自分の作品をバラバラにして読み直しているとつくづく妻そう思うのだった。
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