作家の水上勉さんが亡くなられました。もう高齢であられたから、大往生を遂げられたとも思え、手を合わせました。
水上さんは履歴に「立命館大学中退」とあるように、京都・等持院に数年間住んでおられました。京福電鉄等持院駅の近くには氏がかつて通われた「衣笠食堂」の建物がそのまま残っています。今では普通の住居になり、看板も近年はずされたので、知る人ぞしる場所になってしまったけれど…。 ぼく?知ってますよ。
小林秀雄をして、ずば抜けた山である、といわしめたというその才能が、彷徨したであろう京都の遊郭。「五番町夕霧楼」の舞台はその雰囲気を濃密に残しつつ、朽ちていこうとしています。
さて、ある人のススメにのって宮本輝さんの「避暑地の猫」を読みつつあります。ところが宮本作品は初めてというぼくに、文庫本主義者が「小説の前にエッセイを読んでおくと小説家のことがよくわかるよ」というものだから「血の騒ぎを聞け」というエッセイも併読しています。
このエッセイが抜群に面白い。大阪出身の方だから、関西弁も飛び出して、読みやすいし、いいです。宮本さんが井上靖さんのこと、中上健次さんのこと、田辺聖子さんのこと、山田詠美さんのことなど、小説家のことを書かれているのだけれど、この「レヴュー」がとても読ませてくれます。 愛情がこもっているのですよ。宮本さんがどれほどこの小説家たちを、そして作品を愛しているか、おもわず頷いて読んでます。とてもチャーミングな文章を書かれる人なのだな、と。
また読む範囲がぐんとひろがりそうです。
そういえば村上春樹さんの「アフターダーク」、発売されました。 予想としては「神々の子供はみな踊る」の長編版と思っているんですが。デューク・エリントンが出てくるとかで…あ、ジャズやりたかったんだ、と勝手に思っています。……さっさと読みます。
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