たぶん、今のぼくにとって原稿はなによりも大切なものだ。 けちをつけられるとか、馬鹿にされるとかには聴く耳もあるし、受け容れる。 それで前進することができもするから。
ただ、どうしても許せないことがある。 それは自分の書いた原稿がないがしろにされたときだ。 受け取ったのか、捨てたのか、どこにあるのの、ないのか。 原稿はぼくの手を離れると編集者の下へ行くわけだから、こちらはじっと待っているしかない。
待っていても、限界がある。 書いたことのある人ならその気持ちはわかるはずだ。
請われて原稿を送り、そのような目にあって、大手の出版社にも抗議したこともある。いくら謝られても、いまだに不信感は拭えない。
ひとりでいくら原稿を書いても、それだけでは多くの人に読んではもらえない。 必ず編集者の存在が必要なのだ。
だけど原稿をないがしろにされたという感覚だけは、たぶん死ぬまで忘れないだろう。
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