散歩主義

2004年04月15日(木) N‘s jazz house  vol.3


今日、紹介するのは
John Scofield/QUIET(Verve POCJ1343)

現在のジャズ・ギターのたぶん両巨頭と言えばパット・メセニーとこのジョン・スコフィールド(あとは全てジョンスコと記述)だと思います。
ジャズ・ギターといえば故ウエス・モンゴメリーがいちばんなのにはかわりは無いのですが、ここのところ圧倒的にパット・メセニーを聴いてきたんです。だけど曲づくりやサウンドづくりではジョンスコの方が好きです。

それはこの”QUIET”ではっきりしめされていて、こういう音はパットでは出せない。パット・メセニーは良くも悪くも、ソロでもグループでも、その演奏があまりに劇的なんです。大作主義、コンセプチュアルに過ぎる面もあるかも知れません。それはそれで美的な特性でもあって、パットのよいところでもあるのですが、
QUIETにおけるジョンスコのような音は出せないと思います。

このQUIETでは全編ナイロン・ストリングのアコースティック・ギターを弾いています。ギター、ベース、ドラムのトリオを基本にそこにホーンのアンサンブルが加わるんですけど、その編曲が抜群に渋い。ギル・エヴァンスの編曲手法に倣っているという指摘もありますが、よろしいんじやないですか。いいですよ。

どういう曲かというと、内省的で水彩画のような趣のある音。アコースティック・ギターを金属的には絶対響かせない。うーん、感覚的にいうと「木漏れ日」とか「穏やかな小さな川の流れと風」というイメージですね。

そうブラスセクションが「木管楽器」という文字通りのイメージでとても温かい音を出しているのも特徴的。
リズミックなパートでもアンプりファイドされている印象がとても薄い。自然な躍動感なんですよ。

そのブラス隊にはウェイン・ショーター、ランディ・フレッカーという大御所がいるものの、ぼくがいちばん気に入っているのはフレンチホルン二台とバスクラリネットの音。低音部が分厚くてそのぶんとても落ち着いた曲にしあがっているのです。

ジョンスコが全編でアコースティック・ギターを弾いているのはこれだけだと思いますが、彼の作品の中でこれがいちばん好きです。
QUIETというタイトルは、お嬢さんが名付け親だそうで、確かにそのイメージそのままのアルバムです。

ところで、ジョンスコとパットは仲がよくて、お互い認め合っています。二人でデュオのアルバムも出しているし。違いを認め合いお互いの道を追求する二人。いいですねぇ。


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にしはら ただし [MAIL] [HOMEPAGE]