散歩主義

2003年12月14日(日) 「書きあぐねている人のための小説入門」

だからいわんこっちゃない。
ネット注文で自宅受取りにすべきだった。そして「自分はなんて小さなやつだ」と反省したお話ー。

J堂京都支店五階、ここはこの本屋さん全ての分野の、とり置きや電話注文の書籍を受け取るカウンターがある。

ある日、2時間しかない一日の隙間をついて、保坂和志さんの「書きあぐねている人のための小説入門」をとりにいった。
この本はよく売れているから、めずらしく「いつとりに来られます?」と、受け取る日にちのダメまで押されてしまった。だから、息せき切ってカウンターに来たというのに…。

「あのー、すいません」
「はいはい」
「とり置きの本をいただきに来たんですが」
そのとき、奥の本棚の「な行」と書かれた大きなインデックスのいたのすぐ後に、その本はあったのだ。あれです、とでも言えばよかったのだろうか。
「どちらさまですか」
「ににににしはらです」
書店員はすでに「な行」に指をかけていた。さすがプロだ。
「なんという本でしょうか」
「保坂和志さんの…」
その時気づいた、絵本をとりに来たOL、文庫を束で受け取っている大学生風、なぜか全国時刻表を3種類もっているおじさん、それらの連れやら、新規で受け取りに来た人たちが、一斉にぼくを見ていることに。
「かかかきあぐねて…」
ちきしょう、絵本を持っている女性がぼくの顔を見て「にやぁ」と笑った。「にやぁ」である。オゾイ。
大学生ふうは横目で笑った。うむむむ。
「書きあぐねている人のための…もにょもにょ」
「はい、これですね」
「はい…それです」
やっぱりね、恥ずかしいよね。え、この人小説でも書こうてんじゃないやろね、うそでしょー。…そんな感じ。
で、あろうことかカウンターの左端でやり取りしていたのだけど、「御会計はこちらです」と右端へ誘導された。案の定みんな顔を見やがる。やいやいやい、小説書くんがなんで悪いとや!!

なにか顔に表情でも出ていたのかな。店員さんがすまなさそうにしている。
いえいえ悪いのはあなたではありません、書きあぐねているわたくしが悪いのです。

ところでぼくの前で「バカの壁」を買っていたあなた。不思議そうにぼくを見るのはやめなさい。爆弾の製造マニュアル買ったわけじゃねえんだから。
くそっ、書きあぐねてんだよ、バーカ。悔しかったらなんか書いてみやがれってんだ。とはいいませんでしたが…。逃げるようにJ堂を後にしたのでした。
しかし、「爆弾」…。ある意味そうかも。こざかしい技術論じゃないからね。
手に入れたらこっちのもんだい、ざまぁみやがれ。とも言いませんでしたけどねっ!

だけど、これはいい本です。そうも言いたくなるぐらいいい本です。
で、今、原稿をチェックしながら、この本を読みながらやっています。だから、書き直しは止めました。誤字やテニヲワのおかしいところとか、時制が間違ってるのとか、それぐらいにして、並べ替え以外は新作を書いています。
自分を変えるために。

小説入門だけど詩とか散文、あるいは表現全般にまでかかわる、全く新しいテキストです。これを読むと読まないでは考え方や姿勢が大きく変わりますぞ。

この日記を読んでる人の何人かはもう持っていると思うけれど、あえて書きます。
ほんとは黙っていたいんだけどね。

この本は必読です!!!


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