散歩主義

2002年12月04日(水)  烏

昨日は「烏」のシンクロを感じて終わった1日でした。
朝、ウィルさんと出会うきっかけになった烏。その烏はその後も仲間と一緒に電線に止まっていました。
そして届けられた夕刊の、いつも読んでいる華雪さんのコラムのテーマも「烏」。

不吉なものと忌み嫌われる烏だけれど、あの黒い色は太陽からきたからだ、という言い伝えを華雪さんが教えてくれました。また、アラスカ・エスキモーのトーテムの一つとして、智恵と強さの象徴ワタリガラスがいます。これは亡くなる直前まで星野道男さんが追っていたもの。

そんな「烏」の連続をぼんやりと線でつないでいたころから、頭の中で吉田美奈子さんの「CROW」が鳴り響いていました。アルバム「SPELL」の中の一曲。

都市の朝の象徴としての烏を冷静に突き放して歌われるウタ。
繁華街、享楽の街トーキョーの朝。欲望のままに生きるヒトを突き放しつつ、這いずり回りながらも生きる烏を、強さの隠喩のように歌います。

隠喩は複雑で印象はいくとおりにも分かれるでしょう。ぼくは吉田さんのウタに一貫している「孤独に生きる強さ」を感じます。そしてその強さへの共感として烏があるかのようにも聞えてくるから不思議です。

欲望のままに生きるものの代名詞としての烏。力強く生きぬく逞しさの代名詞としての烏。どらともとれます。
どちらでもあるのでしょうけれど。ぼくは後者のほうを特に意識します。

烏を強さのシンボルとして捉えた日本の歌をぼくは知りません。くしくもエスキモーの伝統と東京の歌姫の感性がオーバーラップしているのです。
だとしたら、汚れを引き受けて飛翔する魂を取り巻いている「場」とは…。

東京は極地と同じぐらい苛烈な場所なのだろうか、と思ってしまいます。
いや東京だけじゃない大阪もこの京都も、日本の都市すべてがそれほど苛烈な環境になっているのかもしれない。
極地では自然が、都市では人間が凶器となりうる環境…。

夜の中、烏をめぐる思いの糸はそこで切れました。

≪街は誰一人 おぼえてないだろう だから孤独で生きられると
強がりを言ってたあいつの言葉を わたしも今 呟いて見る。≫

歌に現れるリフレインが強いです。


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