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2002年11月02日(土) |
『ロード・トゥ・パーディション』を観た |
監督:サム・メンデス 出演:トム・ハンクス、ポール・ニューマン、ジュード・ロウ ワーナーマイカルみなとみらいにて鑑賞
原題『ROAD TO PERDITION』 [PERDITION]は辞書によると、 (完全な)破滅、滅亡。永遠の死、地獄落ち。(精神的)破滅。地獄。 [PERDITION]という、私が知らなかったこの単語が、 日本人にとって認知度の高い言葉かどうかは知らないが、 他の英語圏の人達と同じようにこの映画を鑑賞させる為には、 まず映画を見る前に、チラシや予告等で、 [PERDITION]の意味を徹底しておく必要があったと思う。
『アメリカン・ビューティー』の時もそうだったが、 サム・メンデス監督は、観客に対して 見る前にタイトルで先入観を植え付けておくという、 演出法を取っているように思えるからだ。 そして、その演出が生きてこそのラストだとも思う。
映像はおさえめの色調で、ライティングが効果的に使われている。 サム・メンデス監督とカメラマンのコンラッド・L・ホールは 印象に残る絵を作るのが上手いと感じた。 降りしきる雨の中、白く煙り立つ路面に 逆光のシルエットとなる男達の姿。 そして始まる効果音を排した銃撃戦。 ポール・ニューマンにフォーカスを合わせつつ、 その周りでスローモーションで倒れる配下の者達。 目新しくはないが、美しくまとめられていて、 私はこのシーンが結構お気に入り。
トム・ハンクスは、格好良すぎる親父役ということもあり、 特に可もなく不可もない安定した演技。 疲れた顔で浜辺に立つ姿を見ると、 『キャスト・アウェイ』?と思ってしまうのはご愛嬌。(笑) ポール・ニューマンは役的に、あまり印象に残らず。
二人を狙う殺し屋役のジュード・ロウが、 クールで変質的で良いのだけれど、 他のキャラも比較的クールなのでメリハリつかず、 いまいち光り切れていないのがちょっと残念。 『アメリカン・ビューティー』の時もそうだったけど、 印象的なキャラを作るのに、もったいないかも。 (私がハリウッド的演出に慣れ過ぎとも言えるけど・・・。)
それにしても、2000人のオーディションで選ばれたという 息子マイケル役のタイラー・ホークリンの眉毛が 気になって気になって。(笑)
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