斜めうえ行く「オクノ総研 WEBLOG」
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2005年03月08日(火) |
「ConceptSearch」と「Google Desktop Search」で妄想 |
予約しておいた「ConceptSearch」が届いたので、インストールしてみた。 「ConceptSearch」とは、HDDやNASに格納されたローカル情報の検索ソフトウエアである。 自然言語によるあいまい検索に対応している。 「ConceptSearch」のソフトウエアパッケージそのものは、数日前に届いていたのだけれど、モバイル放送に気を取られていたので、まだインストールしていなかったのである。
とか思っていたら、「Google Desktop Search」の正式版も発表。 僕もベータ版を半年近く愛用させてもらっている。 「Google Desktop Search」を使うことにより、僕は、自分のHDD内のローカルデータがいかに貴重であるかについて認識させられた。 Googleありがとう。 「Google Desktop Search」は、仕事用のPCにインストールすると、万が一の際にヤバい気がするので、プライベート用のPCのみにインストール。
「ConceptSearch」と「Google Desktop Search」は、両者ともにローカルデータを検索するためのツールなのだけれど、ソフトウエアとしてのコンセプトは異なる。 「ConceptSearch」は、自然言語によるあいまい検索がウリ。 「Google Desktop Search」は何でもかんでも検索できる(可能性を秘めている)事がウリ。 それぞれのソフトウエアの生い立ちも異なる。 「ConceptSearch」は、JustSystemの持つ日本語のハンドリング力が生かされたソフトウエアであり、コールセンターやナレッジマネジメントシステムで使われていた「ConceptBase」が元である。 「Google Desktop Search」は、Googleの持つ検索エンジンのノウハウが生かされたソフトウエアだ。
僕にとっての両者の使い分けは、「ConceptSearch」は「日本語」文献から僕の探したい情報を抽出する事を中心に使い、「Google Desktop Search」は言語のみならず映像や音声も含めた情報を検索するために使用するつもりだ。 両者ともに、本日インストールしたばかりなので、使い込んでいくうちに、どちらか一方を多用することになるかも知れない。 「ConceptSearch」は有料のパッケージソフト、「Google Desktop Search」はフリーウエアという大きな違いもある。
だが、現時点では、どちらが自分にとって有用かは評価できない。
なぜ、評価できないかというと、「ConceptSearch」の検索インデックス作成にとんでもなく時間がかかるからである! ウェブの記事には、インデックス生成に15分から20分かかる、と書いてあった。 僕は、それを真に受けて、とりあえず10GB、18,000ファイルが格納されているディレクトリのインデックス生成を始めてしまった。 結果。
3時間かかりました・・・。
インデックス生成中は、PCのメモリの大半を占有してしまうので、他の用途には使えない。 僕がいつも持ち歩いているUSB2.0接続の携帯用HDDの容量は80GB。 10GBのディレクトリは僕のファイルの一部でしかないので、これだけのインデックスだとあまり面白くない。 と、いう事で現在も、横に置いてある別のPCで検索インデックス生成中。
今後、デスクトップ検索ツールが重要度を増すことは間違いない。 昨年からソフトウエア業界で最も盛り上がっているテーマのひとつだと思う。
僕は「アタマが良い」という定義はいくつもあると思うけれど、その中の重要な要素として、「記憶していることを思い出す能力」があるのではないか、と思う。 「忘れるという能力」も人間を人間たらしめている重要な要素なので、記憶力や検索力が優れていることと、人間としてアタマがいい、という事はイコールではないけど。 僕の場合、重要な事、覚えなくてはならない事はすぐ忘れるけど、どうでも良い事はいつまでも覚えている。 人間界では、アホとも言う。
僕は、PCに数十GBのデータの情報を蓄積している。 僕は天才ではないので、当然ながらそれらの情報を覚えているはずがない。 だけど、それらはツールによって、ある程度代替可能になりつつある。 Googleのおかげで、インターネット上の情報も容易に検索可能になり、僕らはヒトとしてはアホなまま、10年前なら天才、と呼ばれても良い領域にさしかかった。 WiFi接続可能なPCを持ち込み可能なクイズ番組があったら、現状のクイズ番組は全滅だ。
「Google Desktop Search」はプラグインの開発ツールも同時に公開した。 プラグインにより、音声認識技術を使って音声・動画ファイルの内容をテキスト化し、それらを「Google Desktop Search」で検索できるようにもなる、という。 もし、それが可能になったならば、ミーティングや電話を録音してインデックス化しておけば、後から検索可能になる。
ハナシによれば、人間の生活を1日16時間、70年間、ブロードバンド品質で録画しても736TBなのだそうだ。 目と耳にそれぞれ、カメラとマイクを取り付けて行動し、HDDに蓄積してインデックスを生成し続ければ、検索可能な僕の分身ができてしまう。 僕の感覚器官の全てにセンサーを取り付けてしまえば完璧だ。 なんだか面白いことになってきたぞ。 そのうえにそれらが、センサーネットワークや外部ネットワークと連動して云々、ネットワークロボットとつながれば云々、地球と僕が融合して云々、と妄想を続けていけば、キリがない。
僕は、インターネットという外部とつながる事によるヒトの拡張も面白いけれど、「ConceptSearch」や「Google Desktop Search」によるローカルな自分を検索する事もおもしろいな、と思う。 僕は、自分自身の事が一番わからなかったりする。 検索エンジンによる「自分探し」。
ちょっと飛躍し過ぎか。
■Google、デスクトップ検索ツールの正規版をリリース http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0503/07/news029.html ■自分のPCは宝の山だった――デスクトップ情報検索ソフ「ConceptSearch」が教えてくれたこと http://www.itmedia.co.jp/pcupdate/articles/0503/07/news004.html ■ConceptSearch for Windows http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0007N4BEQ/wwwjunokunoco-22
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