斜めうえ行く「オクノ総研 WEBLOG」
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2004年10月01日(金) |
ヒトとインターネットの融合 |
生体認証、バイオメトリクス認証が普及することはほぼ確実になっている。 最終的な個人認証はバイオメトリクス認証になる。
と、すると人間はネットの端末の一部と成り得るのではないか、と思う。 生体としての人間がネットと融合する。
簡単に言ってしまえば、人間にIPアドレスを割り当ててしまえば良い。 人間にMACアドレスを付与する。 住基カードなんていらない。 生体認証とMACアドレスをリンクさせる。 そのうえで、IPアドレスを生体にリンクさせる。 固定のIPアドレスを生体に付与してしまえば、人間はネットワークの一部となる。 世界の人口なんて限られているので、IPv6にする必要もないのだけれど、せっかくなので、IPv6アドレスを付与する。
ヒトのインターネット接続の前に、モノのインターネットとの融合に触れておく。 モノのインターネット接続を可能にするのはRFIDタグ、センサーである。
RFIDタグのシステムはインターネットのメタファーであると言える。 RFIDタグはインターネットをバーチャルの世界からリアルの世界に拡張する。 RFIDタグにはEPC(Electronic Product Code)と呼ばれる個別のIDが割り当ててある。 EPCそのものには何の情報もない。 ただのIDである。 そのIDをONS(Object Naming Services)と呼ばれるインターネットのDNS的なサービスに問い合わせる事より、そのモノが何であるかを特定する。 そのモノに付随する情報は、PML(Physical Markup Language)で記述される。 PMLはXMLの拡張仕様である。 RFIDはインターネットというバーチャル空間をリアル世界と結びつける役割を担っている。 ビットとアトムの融合である。
僕は、次に来るのが、「ヒトとインターネットの融合」だと思っている。 バイオメトリクス認証の普及により、ヒトがRFIDと同じくEPCコード的なもの、仮にここでは「EHC(Electronic Human Code)」と呼ぶことにするIDと、HNS(Human Naming Services)、HML(Human Markup Language)により、ヒトがインターネットの一部となり、ネットと融合することが可能になる。 技術的には既存のモノですべて対応可能である。
だが、このようなヒトとインターネットの融合に関する問題は、まだ議論が始まっていない。 上記はすべて僕の妄想である。
だけど、既存技術だけで既に対応可能なのだ。 RFIDを普及させるよりも、課題は少ない。 場合によっては、RFIDタグの普及を追い越すことになるかもしれない。
どうして議論されていないのだろう? 技術的に容易に導入可能である以上、実用化されれば普及の速度は速くなるはずだ。 だが、ここにはプライバシーやセキュリティーの問題が多々存在する。 IDの標準化の問題もある。 個別国家レベルでは、IDの標準化の問題は起きない。 日本だと、住基ID、免許証番号、パスポート番号がある。 米国だと社会保険番号(Social Security Number)がある。 インターネットとの融合のためにはグローバルレベルでの標準化が必要だ。 ヒトがインターネットに接続された場合のプライバシー、セキュリティーの問題はRFIDの比ではない。 早急な議論が必要である。
今はヒトとインターネットの融合に関しては、全く議論されていない。 だが、実用化は容易なのだ。 ヒトのインターネットへの融合に関して、早急に議論を開始すべきだ。
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