斜めうえ行く「オクノ総研 WEBLOG」
β版
目次 | <<前へ| 次へ>>
2003年09月13日(土) |
いまさらストックオプションなんて・・・ |
給料が全然上がらない時代である。 右肩アガリの時代は終わり、不況でデフレのダメ時代。
不況でデフレでダメなのは僕の所属するファームも同じ。 会社の業績は比較的良いのだけれど、将来がどうのこうのという事でどさくさに紛れて僕ら社員の待遇は悪化している。 給料もロクに上がらない。
会社からの給与支出を最小限に抑えつつ、社員の不満をそらす策として、ストックオプションがある。 ネットバブルの頃はもてはやされたが、今やストックオプションで人を釣るような会社は存在しない。
右肩アガリの時代はもうとっくの昔に終了し、世の中的にはストックオプションなど、もはや何の魅力もない。 僕の会社は、何週遅れなのか知らないが、今更ながらストックオプション制度の見直しを計っている。
社内のアンケート調査でストックオプションに対する不満が続出した。 今やストックオプションなど、何の意味もない。 現金給与を増やせ、という不満である。
ところが、僕の会社はアホであった。 会社は給与は据え置きでストックオプションの量を増やす事にした。 ストックオプションに対する不満を、ストックオプションの量が少ない事にあるのだと勘違いしたらしい。
アホ・・・。
僕らの不満は、ストックオプションが少ないことではない。 ストックオプションのメリットが全くないことに不満を訴えたのである。 株価が上がらない時代、ストックオプションは単なる紙くずである。 僕達はメリットのないストックオプションなど意味がないので、廃止しろ、とメッセージを送ったつもりだった。
ストックオプションから恩恵を受けるためには株価が上昇しなければならない。 ストックオプションは株価が永久に上昇しつづける、という前提に立ったシステム。 ところが、僕らの会社はコンサルティング会社。 コンサルティング会社はフィービジネスである。 時間あたりいくばくかのフィーをクライアントに請求する。 フィービジネスとは、社員の数と売上が正比例。 時間あたりのフィーで仕事を取っている、という事は会社が売上を多くするためには、社員数を増やさなければならない。 コンサルティングファームは同じ社員数のまま、爆発的に利益が増えたりすることは、ビジネスモデル上あり得ない。 利益率は常に一定なのである。
株価とは、期待値である。 企業がどこまで成長するか、についての期待値が株価。 現行の株価はその期待値を織り込んだ数値である。 株価の上昇はその期待値を超える成長が必要。
だが、コンサルティングファームは社員数と売上の相関が正比例。 期待値を超える爆発的な成長はあり得ない。 よって、株価は下がる事もない代わりに、上昇する事もない。
株価が上がる見込みがないストックオプションをもらっても、何の意味もない。 僕らはストックオプションなんてもらっても、何のメリットもないので、そんな制度は廃止しろ、という意味で不満を表明した。
会社はアホなので、それをストックオプションの量が少ない事への不満だと解釈した。 コンサルティング会社の経営者は、その程度のこともわからんのか? アホ過ぎて悲しい。
目次 | <<前へ| 次へ>>
|