斜めうえ行く「オクノ総研 WEBLOG」
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2003年08月01日(金) |
どうしてこんなにTV放送の種類はたくさんあるのだ? |
日本の放送って変だな、と思う。
地上波、CATV、スカパー、BS、CS。 光ファイバーやADSLを使った放送も本格化するだろう。
で、疑問。
どうしてこんなに何種類もの放送があるのだ? 別々にチューナーは用意しなければいけないし、有料放送はそれぞれ個別に契約しなくてはならない。 チューナーがバラバラだとリモコン操作もややこしくてたまらない。
地上波だけを見ても、地方局がたくさん存在する。 僕は関西出身なのだけれど、関西にはローカル番組は多い。 盆暮れに帰省すると、吉本と阪神タイガース関連の番組だらけである。 僕の実家がある兵庫県には「サンテレビ」という阪神戦を全試合完全生中継する、というとんでもないテレビ局も存在する。 だが、関東ではサンテレビは見られない。 今年に限って言えば、サンテレビを再送信すれば高視聴率は間違いない。
地域でコンテンツを分ける必要が本当にあるのか、と思う。 地方局など、衛星放送やCATVがなく、電波をタワーや山の上からしか飛ばせなかった時代の遺産でしかない。 地方局の経営は苦しい。 地上派デジタル、衛星放送によって、地方局の経営は益々苦しくなる。 地方局はその地域だけで放送していては、もはや経営的にやっていけない。
僕はひとつのチューナー、ひとつの契約で何でも見ることができるテレビが欲しい。 多数存在するTV放送のアグリゲーションサービスが可能になれば実現可能なことだ。 各家庭への通信回線が光化され、ベストエフォートではない、帯域保証型の100Mbpsの通信サービスが開始されれば、インフラ面での課題は存在しなくなる。
問題は法や規制だけだ。 放送の再送信をどこまで認めるか、著作権の処理をどうするか、というだけの話。 時間をずらした再送信では納得がいかないので、言葉的には変だけれど「同時再送信」、と言ったところか。
ビジネス上の問題で実現できないのではない。 法や規制の問題だ。 あとは既得権益。
TV放送が「公共の電波」を使用する、という大前提が崩れてしまった現在、地域で放送を分ける意味は何もない。 何種類もの放送方式が存在する事もおかしい。 「公共の電波」は光インフラが全国に浸透した時点で意味を失う。 放送に電波を使用する必然性など、存在しなくなる。 それほど遠い将来の話ではない。
もちろん、「放送」という性格上、オンデマンドに個別コンテンツを流すよりも、一括にマスでコンテンツを流したほうが効率は良い。 だけど、地上波で各地域でバラバラと流す意味があるのだろうか? 全て衛星放送にして全国的にまとめて流せば、コストも安い。 技術面では数Gくらいの速度でSTBの10TBくらいのHDDに、どかっと数百チャンネル、1週間分くらいのコンテンツが落ちてくる時代はすぐそこなだと思う。
日本の放送のビジネスモデルを根本から見直し、僕のリモコンの数を減らしてくれ。
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