斜めうえ行く「オクノ総研 WEBLOG」
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SO505を持っていると、いろんな人がイジリたがる。 なので、最近はメール、写真、通話履歴はすぐに消去する。
「QVGAなのにフォントがギザギザなんですね」 「パフォーマンスを優先するために敢えてフォントの解像度を下げているらしいよ」
「カメラの映像の追従性が遅いですね」 「カメラを使っているときに電話がかかってくるかもしれないから、CPUパワーの余力を残しておくためらしいよ」
「レンズカバーってカメラのスイッチと連動じゃないんですね」 「必ずしも必要とされない機能をつけて、更に重くなることを避けたらしいよ」
僕は口からでまかせで適当に答える。 これらはいわゆる「仕様」である。 開発陣が気づいていないハズはない。 開発現場で「仕様」を決める際に、ヒートディスカッションを経たうえで、決められたに違いないのだ。
問題は製品企画者や開発者とユーザーの意識やニーズのズレである。 製品の企画や開発現場を知る僕にとっては、ご愁傷様、というしかない。 開発者と消費者の意識のズレを埋める事は難しい。 消費者は勝手かつワガママなので、意見をそのまま取り入れると、とんでもない製品ができあがる。 コストは上昇する割には、製品の売上向上にキチンと効果として表れるとは限らない。 なので、製品企画、開発の現場では消費者の意見は参考にしつつも、全てを聞き入れる、という事はしない。 取捨選択のバランスが難しいのである。
僕はシステム屋さんと会話する事が多い。 システム屋さんの作ったシステムをいじって、僕はいろいろと文句を言う。
「ん?これおかしいじゃん、何でこんな動きをするの?バグじゃないの?」 「仕様です」
「いきなりパフォーマンスが落ちたぞ」 「仕様です」
「勝手にデータが書きかえられてるぞ、駄目じゃん」 「仕様です」
「データが飛んだぞ」 「仕様です」
「画面がブルーになったまま動かなくなったぞ」 「仕様です」
「ウィルスに感染しました。HDDを完全にフォーマットします。というメッセージが出て勝手にフォーマットをはじめたぞ」 「仕様です」
「うわっ、熱暴走して火を噴いてるぞ!」 「仕様です」
「30秒で自爆します?おいっ、カウントダウンがはじまったぞ!」 「仕様です」
「天井から消化用のガスが噴き出したぞ!」 「仕様です」
「ドアがロックされて開かないぞ!」 「仕様です」
しつこいようですが、これは仕様です。
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