斜めうえ行く「オクノ総研 WEBLOG」
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2003年05月23日(金) |
「マネーの虎」を見ながら、少し自己嫌悪に陥った |
録画した「マネーの虎」を見ていて、僕は自分の20代を思い出した。 今回の「マネーの虎」では、トランスのレーベルを作りたい、というDJが出てきて、マネーは成立した。 そのレーベルは第一弾として「マネーの虎」にちなんで「マネーのトランス」というCDを出すらしい。 彼は単身英国に渡り、現地のDJと共同でトランスのCDを作り、クラブでプレイしていた。 そんな番組を見ていて、遠い昔の自分を思い出した。
僕は10代から20代にかけては音楽制作が全てだった。 20代の後半はグラフィックやマルチメディアアプリケーションのクリエイターをしていた。 30代の今は戦略コンサルタントなどという、クリエイティブからは遠く離れた仕事をしているけれど。
僕が音楽制作をしていた頃は「ナゴムレコード」というインディーズレーベルに所属しているバンドにいた。 「筋肉少女帯」や「電気グルーブ」の前身である「人生」、プロジェクトXのナレーションをしている田口トモロヲの「ばちかぶり」等が所属していたレーベルである。 結果的には実力もないのに、満杯になるライブハウス、雑誌の取材、人気投票で上位にランキングされていく自分が恐くなり、僕は音楽から逃走したのだけれど。 (僕の過去に興味のある人はGoogleで”オクノジュン”で検索してみるべし)
20代の後半はクリエイティブの会社を作るために、投資家を探し、会社を設立した。 僕達の会社には今は亡きCSK、SEGAの元会長の大川氏が投資してくれた。 ある意味、「マネーの虎」である。 そして、僕は東京とニューヨークにオフィスを構えた。 ロクに英語も話せないのに、単身ニューヨークに乗り込み、日本人はたった一人、という状況で、ひたすらクリエイティブワークに没頭していた。 そこでも、僕はクリエイターとして大した才能もないのに、どんどん大きくなっていく仕事、1日に何回も受ける取材に恐れおののいていた。
大した能力もないのに、勝手に作り上げられ、肥大化する責任に堪えられず、逃げまくりの人生。 ついつい、リセットボタンを押してしまう。
今となっては遠い昔の話なのだけれど、僕も「夢追い人生」を歩んでいた事があったのだな、とふと思い出した。 ああ、僕ってどんどんと、どこにでもいるダメサラリーマンになっていくな、と「マネーの虎」を見ながら、少し自己嫌悪に陥った。
■マネーのトランス http://www.9819.jp/index2.html
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