斜めうえ行く「オクノ総研 WEBLOG」
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この1年くらい僕はいかにして労働時間を減らすか、に知恵を絞ってきた。 戦略コンサルティングの仕事には終わりというものがない。 ここまでやったから完了、という明確な基準やものさしは存在しない。 結果を追求すれば、追及するだけ仕事は広がる。 企業の戦略なんて、細かく分析したり、戦術レベルまで落としてみたり、複数のオプションを検討してみたり、とやる気になればどこまでも深く追求できる。
クライアントの期待を超えなければならない、などというのは当然の前提である。 戦略コンサルティングのフィーはアホほど高い。 クライアントはそのアホほど高い値段に見合う、というか超えるアウトプットを出さなければ納得しない。 少なくとも期待を超えない限り、次の仕事はもらえない。
そんななか、自分自身がどこかで線引きをしない限り、永久に仕事は終わらない。 ドライにバシッと線引きできれば良いのだけれど、なかなかそうは行かない。 どこまでやっても「本当にこれで良いのか?」「正しいのか?」という不安が消えることはない。 正しかったとしても今度は「本当に実行可能なのか?」、「他のオプションはないのか?」と考え始めたらキリがない。
システムやプロセスのコンサルティングであれば、明確な完了の基準がある。だけど、戦略コンサルティングには、完了基準などない。 自分が納得するまでやる。 クライアントの満足度などは超えて当然なので、完了基準は自分自身の納得度である。
そうやって戦略コンサルタントはどんどんと深みにハマっていくのである。 アナリストやコンサルタントであれば、とことんまで悩んで考えつくせば良いのだけれど、マネージャーはそうはいかない。 スタッフの労働時間や体調、プライベートも考慮しなければならない。 「プロジェクト期間中は人生の全てをプロジェクトに捧げろ」などとは言えない。 言っている人もたくさんいるし、僕も言いたいけれど。
時間も予算も体力も無限ではない。 どこで仕事の見切りをつけるか、というのはとても難しい。 きっと自分の限界を見定め、そのギリギリのところなんだろうな。
今週も僕は休みを返上して会社に出社で仕事をしている。
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