斜めうえ行く「オクノ総研 WEBLOG」
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2003年03月06日(木) |
現実の興味とWEBLOGのギャップ(たとえばRFIDのコード体系) |
このWEBLOGには、僕の興味のあることについての備忘録、という役割を持たせているつもりなのだけれど、やはり多少のギャップがある。 僕が興味のあることは何でもかんでも書く、というわけにはいかない。 読み手が誰も興味を示さないであろうネタは書けない。
たとえば今、僕が興味を持っているのは、「RFIDタグのIDのコード体系のヘッダー部分は何バイトあれば良いのか」である。
たぶん、そんなことに興味がある人はほとんどいないだろう。
RFIDタグというのはバーコードの進化版のこと。 無線でやりとり可能なバーコード。 CDショップの入り口で万引き防止用のゲートを見かける。 CDのケースにはアンテナつきの値札シールがついていて、購入処理せずにゲートを越えて商品を持ち帰ろうとすると、ピーピーと警報が鳴る。 RFIDタグとはそのアンテナつき値札シールがもう少し進化したものである。
RFIDタグを物体に貼り付けると、コンピュータはリアルの物体を個体識別できるようになる。 RFIDタグそのものには単純なIDしか振られていないのだけれど、コンピューターはそのIDを元にサーバーにそのIDを問い合わせ、その物体が何であるのかを理解する。 バーコードと同じように、コンピューターが物体を識別可能になる。
ただし、RFIDタグのメモリ容量は既存のバーコードと比較すると桁違いに多い。 桁違いといっても、たかだか96ビットから128ビットくらいのものなのだけれど。 でもこの程度のビット数でも地球上の全ての原子に取り付けても問題ないくらいのIDを発行できるのだ。 仮にこの世の全ての物体にRFIDタグを取り付けることができれば、コンピュータは物体が何かを完全に識別できるようになる。
コンピュータの「ビット」の世界とリアルの「アトム」の世界の融合。 コンピュータがリアルの世界を認識しはじめるのだ。 RFIDの応用範囲はとてつもなく広い。
しかし、ここで問題になるのがRFIDのコード体系の標準化。 バーコードと同様にコード体系のルールが必要なのだ。 世界中でコード体系を完全に標準化して一箇所で管理すれば良いのだけれど、それは面倒。 世界中のIDを完全に管理するとなると、標準化の作業やIDの発行業務やら、なにかと面倒なのである。
僕は現実にはいくつもの標準や勝手なコード体系が乱立しても問題ないと考えている。 RFIDタグのIDのコード体系の「ヘッダー部分にこのIDの種類は何かを識別可能な領域を用意しておけばよい」のだ。 ヘッダ情報のみを世界的に標準化して規定しておけば良い。
ヘッダー情報を読んだときに、その後に続く数字が何に関するIDなのか、という事だけを識別可能なコード体系を規定して置けば良い。 たとえば、識別IDの後に続くコードが「JANコード」なのか「書籍のISBNナンバー」なのか、といったことを識別可能なコードをヘッダー部分につけておけば良いのだ。
個人で勝手にプライベートIDを生成する場合も、ヘッダーのところにプライベートIDであることを識別可能なコードをつければよい。 ヘッダーで標準化されたコード体系ではない、プライベートIDだということさえ認識されれば、自由にコードを生成しても問題は起こらない。 個人単位でも企業単位でも好きなようにIDコードを発行できる。
ヘッダーの識別コードだけを標準化しておけば、RFIDは互換性を保ちつつ自由度も確保できる。 ヘッダーしか規定されていないので、IDの桁数やビット数を変更しても問題はない。 逆に言えば、ヘッダーのコード体系だけは厳密に定義しなければならない。 将来を見越して、何ビット程度領域を用意しておけば良いのか、これは今後50年くらいの未来を決める重要なことなのである。
と、いうことで僕は「RFIDタグのIDのコード体系のヘッダー部分の情報は何ビットあれば良いのか」というテーマに興味があるのである。 非常に興味があるのだけれど、さすが誰も読んでくれそうもないのでここには書けない。 僕としては、このような誰も興味を持たないようなネタが日々気になってしょうがないのである。 実はこのようなボツネタがどんどんと累積しているのであった。
とか、言いつつ書いてるけど。
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