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2003年01月27日(月) Walk, Don’t Run.

今日は昇進判定のミーティング。
春の昇進時期に合わせて、昇進候補者の一人一人の昇進の可否をマネージャー以上全員で議論して判定する。

コンサルタントの昇進は一般企業とはかなり異なる。
コンサルティング会社にとって、コンサルタントは商品。
コンサルタントのクラスは大きく分けると、アナリスト、コンサルタント、マネージャ、パートナー。
そのクラスのなかでも、身分は細かく分類されている、
コンサルタントのクラスとは、すなわち商品としてのコンサルタントの値段。
アナリストからコンサルタントに昇進する、って事はクライアントに請求する金額がそのぶんだけ高くなる。
クラスが変わると、商品であるコンサルタントの値段は一挙に上がる。
よって、昇進が可能かどうかは、その値段をつけても売れるかどうか、の判断。

あいつはがんばってる、とか、今のクラスも長いしそろそろ、なんて考えはない。
商品として今より高い値段をつけても売れるかどうか、それが昇進の判定基準。

アナリストとしてとても優秀なA君がいたとする。
彼はアナリストとして最高だ、でもコンサルタントに昇進して値段が高くなったとしても商品として売れるか、という議論になった場合、今のアナリストとしてはすばらしいが、値段の高いコンサルタントになったら売れない、と判断されれば昇進は見送り。

今回の昇進判定のミーティングでは、僕のスタッフで昇進がかかっている人間はいなかったので、僕はオブザーバー的に参加していた。
それでも昇進会議はとても消耗する。
人が人に値段をつけるなんて行為が疲れないはずがない。

自分と一緒にがんばってきたスタッフは誰だってかわいいし、昇進させたいに決まっている。
でも、無理に昇進させて値段が上がってしまった結果、却って不幸を招くかもしれない。
値段が上がれば、上がっただけの付加価値と結果が要求される。
自分の思い入れで無理に昇進させ、そこで値段にふさわしい価値を出せなかった場合、彼は苦境に陥る。
ここには年功序列も、過去の功績も関係ない。
コンサルタントの値段はクライアントが支払う、その人の値段だから。

自分に値札がつけられる。
とても残酷だ。

みんな自分自身には絶対の自信を持っている。
何百倍もの就職戦線、サバイバル競争を勝ち残って選ばれてきた人間たち。
挫折など無縁の人生を歩んできた人間の集団。
逆に言えば、僕らの仕事はそれだけの過剰な自信がなければやってはいけない。
人生の高速道路を爆走してきた人生。
そんな人生のなかで、この職場で何人もが生まれて初めての挫折を味わう。

僕は人生の畦道を千鳥足でフラつきながら歩んできた
僕みたいに自分の値段が不当に高い、なんて思っている人間は少数派。
そんなに頑張んなきゃいけないのかな、人生って。

Walk, Don’t Run.

昇進できた人はおめでとう。
これから更なるプレッシャーと戦ってください。
僕達の発信したメッセージによって、何千人もの人たちを、何万人ものその家族が路頭に迷うかもしれない、という事実、プレッシャーを絶対に忘れずに精進してください。

昇進できなかった人。
僕は決して見捨てないよ。
仮に誰も相手にしてくれなくなっても僕は喜んで一緒に仕事をさせてもらうよ。




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孤独に歩め 悪をなさず 求めるところは少なく 林の中の象のように

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