| ∈よい病院とは?∋ |
| 2004年02月10日(火) |
後日に記入。
よい病院とは、どんな病院だろう?と、この頃よく考える。 以前は、的確な診断・治療をしてくれる病院だと思っていた。 しかし、あたしはMSについて、診断されるまでに長い年月をかけた。
的確な検査・診断をしてくれる。というのは、まずは第一条件だと思う。 あたしが始めにかかった病院は、「神経科」と標識を掲げていて、後で知ったのは、その科は主科は「精神科」だったということ。 神経内科的な疾患を診てもらうには、きちんと「神経内科」と掲げている科にかかること。「神経科」は、精神科や心療内科を略している場合が多く、「神経内科」とは全く異なる専門だから。
医師とのコミュニケーションにおいて、患者さんの言葉に耳を傾けてくれる医師との出会いが、とても大切だと思う。 診察室に入っても、コンピューターの画面や検査データーばかり診ている医師は、一人の人間としての患者として診てもらえないような不安な気持ちになってしまう。 患者さんからの症状や生活状況などの言葉は、検査や治療をする上でも大切な要素だと思うし、信頼する専門の先生に聞いてもらうだけでも、安心感という薬を処方してもらえる。
医師のみではなく、外来においても入院においても、看護師さんやリハビリの先生、ケースワーカー、各スタッフとの連携も大切だ。 外来の待ち時間などや、入院においての環境も大切だと思う。 よく本屋さんに置いてある、「名医のいる病院」などは、そんなそれぞれも総合的に採点されているみたいだけれど、その本は、医師が何々大学を出ているとか、そういう部分を最重視されているものも多く感じる。 専門医の医師のいる病院というのも大切だけれど、患者になるには医師との関わりだけではない。 慢性疾患など長期に付き合っていく部分では、周りのスタッフとの関係も大切になってくる。
だけど、その全てを満たす理想的な病院を探すのも、現実的ではなかったりする。 どこかでそのいずれかの部分を妥協して、自分の一番信頼できる病院にかかっている。 あたしの今かかっている病院は、患者数の割りに、スタッフの人数が少ない。いつも多忙だ。もちろん外来の待ち時間も長いし、入院のベットも常に満床。救急指定病院だから、軽度な患者なんていない(むろん急性期疾患が多いからすぐに元気になることも多い)。生死をさ迷う患者ばかりで、各病棟にICUがあるし、入院病棟でもスタッフはいつも走り回っている。
またそこでは、大学病院などでは、「入院してるでしょ?」という患者さんも、ふつうに外来受診または往診している。 点滴しながらタクシーに乗ってたり、もちろん、腹膜透析やIVHなど在宅でしている患者さんもおられるし、抗がん剤などの点滴も外来でできる。 あたしはベタフェロンを開始する時に、入院を希望したけれど、先生から帰ってきた言葉は、「何で入院するの?」だった。
MSと診断がついてなかった時。 病院は診断してくれて、治療してくれる場所だと思っていた。 でも、MSは診断がついても、確かな治療はできない。確実な治療法は未だないから。 悪くなれば「治療して欲しい。」と言い。入院を勧められれば「入院はいや。」とわがままを言い。 そしていやいや入院すれば、「入院すれば治してもらえる。」と思っていた。 病院は病気をみつけて治してくれる所だと思っていたけれど、病気と付き合うのは、誰でもなく、患者本人のあたしだということ。 それは厳しい現実かもしれないけれど、よい病院を探し求めていた頃のあたしは、甘えてたな・・・とも思う。
どんな辛い抗がん剤の治療にも、入院したくない。と言った人がいた。 死ぬのが怖くて、痛くて不安なのに、医師も看護師も医療スタッフのいない、在宅で死を迎えた人もいた。 毎日、治療のため、1日の大半を外来の処置室で過ごす人もいる。 何も知らない人は、「入院すればいいのに・・・。」と思うかもしれないし、家での医療者のいない設備も整わない、状況・環境では困難なこともあると思う。 体は辛そうなのにいつも笑っていて、一人の人間として、患者として、病院との付き合いを、誠心誠意している方だな・・・と、思う。
病院との付き合いは、病気にもよるし、個人それぞれの考えだ。 それはそれぞれのもので自由なものだと思う。
けれど、今のあたしは仕方なく、在宅で暮しているのではない。 満足して暮しているのでもない。 今日を幸せに暮そうと、毎朝思っている。
これからのあたしは、病院に全てをおまかせする付き合い方ではなく、自分の意思を持って、自分の生活・人生の一部として、そんな付き合い方ができればと思っている。
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まとまりがなく書いてしまったかもしれない。 様々な意見や、反対の意見もあると思います。 けれど、今のあたしの気持ち。 病気にしっかりと向き合おうって、思っている。 あたしの今の思いです。
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