Kozの日記
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2002年08月22日(木) 夏の風景

最近は8月とは思えない涼しさ。
過ごしやすくなったと言えば、なったのだが…。

蝉の声もいつしか身の回りから遠ざかり、
体を掠める風に秋の気配を感じる。

まだ小さな頃は、8月末でも「夏」だった。
僕の生まれ育った海に囲まれた小さな島では、お盆を過ぎ
てクラゲが多発しても、海に潜れば太陽の光が底まで届き、
終わらない夏の海の景色があった。

ヒグラシやツクツクボウシも9月に入ってからもなお近く
の神社の裏山で鳴いてたり、アキアカネが田んぼを舞うま
では、オニヤンマ、ギンヤンマ、シオカラトンボ、イトト
ンボも見ることができた。

もう30年も前のこと。


昨日、今日と近くの公園で地区の納涼大会が行われていた。
納涼といってもこんなに涼しいのに。

いつの間にか過ぎ去る夏を惜しむように、浴衣を着た近所
の人が本当にたくさん集まっていた。

これだけの浴衣に遭遇するのも今年最後かも。

スクール終了後、受講生達と納涼大会へ足を伸ばした。卒
業制作展を間近に控え、詰めて作業する受講生達の息抜き
になれば…とみんなで少しの時間散歩してきた。

盆踊りのような櫓が組んであるにもかかわらず、フォーク
ダンスが行われてたのには、驚き。そしてみんな大騒ぎ。

大人になってから、あんなに大きな音量でフォークダンス
の曲を聴くこともなかったから、それはそれで新鮮。イカ
ヤキ、ジャガバターを食べながらそぞろ歩くのも僕にして
みれば何年振りのことだろう。

何だか人生少し損してるって気もする。

この数年夏らしいことをした…という記憶がない。
今年もまた、そんな夏で終わりそうだ。


中学の頃、波ひとつない誰もいない夜明けの海で泳いだ。

このまま水平線の彼方まで泳いで行けそうな、静かな海。

今、失われるものが多く、過去との対比の中で失いたくな
い記憶が蘇るんだろうね。




窓の外から聞こえる虫の声が、秋の調べを奏でているよう。


Koz |MAIL

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