Kozの日記
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最近は8月とは思えない涼しさ。 過ごしやすくなったと言えば、なったのだが…。
蝉の声もいつしか身の回りから遠ざかり、 体を掠める風に秋の気配を感じる。
まだ小さな頃は、8月末でも「夏」だった。 僕の生まれ育った海に囲まれた小さな島では、お盆を過ぎ てクラゲが多発しても、海に潜れば太陽の光が底まで届き、 終わらない夏の海の景色があった。
ヒグラシやツクツクボウシも9月に入ってからもなお近く の神社の裏山で鳴いてたり、アキアカネが田んぼを舞うま では、オニヤンマ、ギンヤンマ、シオカラトンボ、イトト ンボも見ることができた。
もう30年も前のこと。
昨日、今日と近くの公園で地区の納涼大会が行われていた。 納涼といってもこんなに涼しいのに。
いつの間にか過ぎ去る夏を惜しむように、浴衣を着た近所 の人が本当にたくさん集まっていた。
これだけの浴衣に遭遇するのも今年最後かも。
スクール終了後、受講生達と納涼大会へ足を伸ばした。卒 業制作展を間近に控え、詰めて作業する受講生達の息抜き になれば…とみんなで少しの時間散歩してきた。
盆踊りのような櫓が組んであるにもかかわらず、フォーク ダンスが行われてたのには、驚き。そしてみんな大騒ぎ。
大人になってから、あんなに大きな音量でフォークダンス の曲を聴くこともなかったから、それはそれで新鮮。イカ ヤキ、ジャガバターを食べながらそぞろ歩くのも僕にして みれば何年振りのことだろう。
何だか人生少し損してるって気もする。
この数年夏らしいことをした…という記憶がない。 今年もまた、そんな夏で終わりそうだ。
中学の頃、波ひとつない誰もいない夜明けの海で泳いだ。
このまま水平線の彼方まで泳いで行けそうな、静かな海。
今、失われるものが多く、過去との対比の中で失いたくな い記憶が蘇るんだろうね。
窓の外から聞こえる虫の声が、秋の調べを奏でているよう。
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