自立日記
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2003年12月17日(水) 分析。

Hチャンは、日記では怒っていたものの、
反面、俺のことが怖かったんだと思う。
俺が大阪に来ている間、ずっと俺の日記を見ていたし、
Hチャンの日記を俺が読んだら、俺が怒ると思っている。
「道ばたでばったり会ったらどうしよう」って日記に書いてあった。
でもあの日記は当時、俺がどうやっても読めない場所にあった。

俺があの日記ページを発見したのは、
Hチャンのお兄さんのホームページのリンク集からだ。
インターネットアーカイブのキャッシュによると、
2002年の2月の時点では、過去のリンクが貼ってあった。
2002年の11月の時点では、新しいリンクが貼ってあった。
この間の事はわからない。でもあの日記は2002年9月だったから、
書かれてから2ヶ月くらいという、ごく早い時期に見つけられていたはずだ。
俺はリンクが貼られていたのに、1年以上も気付かなかったことになる。

俺は読んでも怒りはわかなかった。
俺は単に落胆しただけだけど。
今さら自分を正当化したくない。
しても別に心は癒えない。
自分を正当化することは、Hチャンを否定することに繋がるから。
俺はHチャンが好きだから、自分のほうを否定するしかない。
だから落胆するしかない。

---

あの子は、俺にちゃんと別れを告げられなかったんだと思う。
会っているときは何遍も断られたけど、はっきりとは答えなかった。
それは俺があまりにプッシュしたからだと思う。
3年間友達だった関係を利用して。
そして、東京に独りで上京するというシチュエーションも利用した。

そういう、手段を選ばない方法を使ってもあの子を落とせなかったのだし、
俺はやれることはやったと思う。
だから、俺はどうやっても、Hチャンをモノにできはしなかったと思う。

Hチャンは変わった子だった。
でも身近にいた俺なら、なんとかなると思っていた。
でもついて行けなかった。
1ヶ月間も音信不通だったから。
だから俺はキレて、そしてそれに向こうがキレた。

別れ際にあんなに仲良くして、でも会えない時間があったら、
誰だって後ろ髪引かれる想いがあると思う。
だけどHチャンは逆で、俺ではなく別の男になびいた。
それは、俺への気持ちを確かめるためのものだったかもしれない。
……それはまた俺の独りよがりか。駄目な癖だ。

俺は信じたい。
Hチャンの心の中にも、少しは俺に対する淋しい気持ちがあって、
ああいう別れ方を後悔していると。
……いや、これも俺の独りよがりか。
でも、やっぱり信じたい。信じるのは俺の勝手だ。
……
……
……

あの子は、俺を放置すると言って、
とうとう何も言わなかった。
言ったのは自分の日記でだけで、俺に対しては、何も。

それは、彼女の最後の優しさで、
彼女は大人で、
俺はわがままな子供で、
相手のせいにしたり、
嘆いたり、
喚いたり、呪ったりしただけだった。

俺は……情けない……
俺は……
弱い。


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