セピア色の思ひ出
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2003年08月09日(土) |
** 自分の人生の中で特殊な出来事の一つかもしれない ** |
[朝帰り]
バイト先の日本料理屋。
一人でいらっしゃる常連さんも時たまおられる。
一人で座敷を占拠。
そしてそんな常連さんで、
私がよく付く変わり者のお客さんがいる。(以下Nさん)
座敷でテーブルを挟んで向き合い一対一。
いつも最初のうちは政治の話など
まともな ためになる話をしてくださるNさん。
(おかげで苦手だった政治経済の分野の知識が
少しづつ広がりつつある。)
30代前半 独身。
とある株式会社の社長さん。
月収は一般のサラリーマンの年収くらい。
プライベートでは専らGAPとUNIQLOを着用。
お酒が強い。
日本酒六合までは絶対酔わない。
でも一度酔いがまわったなら 変人と化する。
まず仕草がオカマちゃんになり、
毎回ワンパターンの台詞を話し出し、
それは私がけなされまくる内容。
「おばちゃんコワ〜イ」
「あんた、もてへんやろ」
仕舞いには日本語を五種類くらいしか話さなくなって
畳の上に大の字に寝そべって眠ってしまうパターンが多い。
そんな私をいつもけなしまくるNさんが
その日は何故か酔うまで飲まず、
「このあとすぐそこのフグ屋に行かへんか」
と。
どういう風の吹き回しか。
というか普段なら絶対お客さんのお誘いは
丁重にお断りする私だが、
断るのは お客さんについて行くと、
正直何をされるかわからないからで
私を女として見ていないNさんなら大丈夫
というへんな確信があり
結局 バイト後、Nさんとフグを食べに行くことに。
自分自身が どういう風の吹き回しか。
もちろん支配人に Nさんについて行くことを告げて。
支配人はかなり心配してくれて
Nさんといる間も何回も携帯にメールをくれた。
その都度私は現状を報告。
行った先は歓楽街 歌舞伎町。
歩きながらホストさんにおびえる自分 {{>o<}}
結局フグ屋さんはもう店仕舞いしてしまっていたので
「歌舞伎町で一番おいしい店に連れて行ってやる」
と、朝まで営業している割烹料理屋さんに行くことに。
確かに確かに、とってもおいしいお店だった。
注文したのはお寿司や鯨ベーコンなどなど。
しかし Nさんはあまり料理を口にはせず
ずっとひれ酒を飲んでいる。
飲むときは食べないのがNさんの特徴。
一方私の飲み物はオレンジジュース。
そして注文した料理を一人で食べる。
ファミレス感覚で三時間くらい話をしていた。
他愛のない話ばかりだったが、
恋愛ネタが多かっただろうか。
バイト中とは違う雰囲気に、ついつい本音トーク。
気づくと朝三時。
店を出ることに。
さすが、眠らない街。
こんな時間にもかかわらず 外はものすごく賑やかだ。
まだ始発も走っていないので
とりあえずシャッターの閉まった地下鉄の階段の
入り口の前まで行って またまたトーク。
「オンナとこんな風にこんな場所で話をして
朝を迎えるのは高校生ぶりや」
と、童心?に返っているらしいNさん。
すると 目の前を朝帰りのホモさんカップルが
腕を組んで通り過ぎてゆく。
そのような光景を初めて目にした自分。
そしてそんな自分を見たNさんが
「社会見学や」
と、突然どこかへ向かって歩き出す。
私も遅れをとらないようにNさんの斜め後ろを歩く。
向かった先は新宿二丁目。
ゲイさんたちのメッカ。
そのセンター通りともいうべき道を歩くNさんと自分。
早朝だというのに、男の人たちのいくつかのグループが
通りに点在している。
女性は一人もいない。
なんだか不思議な光景。
「ここにいる奴等は すべてホモと考えていいんや」
と、Nさん。
年配の方から 中高生まで
様々な年代の男性たち。
女の私への視線がチクチク(><)
「なぜここにオンナが?!」
という周囲の目の色。
いやいや、自分の単なる被害妄想かもしれませんが。。。
路面には 筋肉質の男性のハダカがどど〜んと
掲示されたお店があったり。
はっきり言って自分的には過激すぎて
目なんて開けていられません!!
た、た、た、確かに社会見学でした(>o<)
二丁目を通過するとそのままさっきの地下鉄の入り口へ。
そこでNさんとサヨウナラした。
この日
自分の普段の生活では絶対に体験できないようなことを
経験した。
自分は
お酒もたいして飲まないし
タバコも吸わないし
車の免許もまだだし。
二十歳を越えてから可能になることを
ほとんど経験していなくて、というか興味が持てなくて。
まだまだお子チャマだからかもしれないけど。
そんな自分にNさんは興味本位で
何かを体験させたかったのかもしれない。
Nさんの真意はよくわかんないけど
この日のことを総合的に振り返ると
…う〜ん…
うまく言葉にはできなくて
単純な表現になっちゃうけど
楽しかった。
でも
「今度ゲイバーとオカマバーに連れて行ってやる」
と豪語するNさんに
ちょっと遠慮を覚えるファミレス党のshihoでありました。
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