セピア色の思ひ出

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2003年06月05日(木) **落とす**

授業中、携帯をいじっている生徒がいた。
そして運悪く、先生に見つかってしまった。

教室はわりと大き目の講義室であり、授業とは関係の無いことをしていても「先生に気付かれにくいだろう」と、後ろの席に座っている生徒は思いがちな広さだ。
しかし、教壇からは生徒の様子が予想以上に見渡せる。らしい。
そして、その先生がたまたま授業中の携帯いじりや、おしゃべりにひときわ厳しい人であったことが、運のつきだったのだろう。

先生は年度始めの授業の際、
「授業中、携帯を使った人には単位を与えません」
と公言していた。

今日携帯いじりが見つかってしまった生徒に教師は小さな紙切れを渡し、
「すぐにその紙に名前を書きなさい」と言い渡した。
そして記名された紙を受け取り、
「あなたには、前期の単位は与えられません。」
と、言い放った。その目は、本気だった。

教室内の生徒およそ250人が、その光景にくぎ付けとなっていた。

今回のことは他の生徒にとっても、いい戒めになったに違いない。

大方の教師は、講義中に携帯をいじっている生徒に気付いても、見て見ぬふりをする。そして生徒はそんな教師等に甘んじて、大勢でカチカチと携帯をいじっているのだ。

しかし少なくともこの授業だけはもう携帯を使う人はいなくなるにちがいない。

授業終了後、生徒達は互いに、目の前で一生徒の単位を取り上げた教師のことを罵った。
しかし私は、その教師を罵る生徒達を、まさに罵りたくなった。
教師のどこが悪いというのだろう?

生徒は、授業態度に対して 甘く緩い 教師ばかりを好む。
でも、私は、厳しく注意する教師が断然好きだ。
生徒の不正な態度を律することも含めて、教育だと思うからだ。

別に教育者になりたいわけではないけれど、
平穏であり、ごく当たり前な姿勢で授業を受けたい、
私はそう思う。




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