バレンタイン到来。年に1度のチョコの祭典(笑)。 不思議なもので。やっぱりなんか楽しい気持ちになる。
あたしはわりと都会に住んでる方で。 家から10分も歩けばデパートがいっぱいあるんやけど。 どこもかしこも。真っ赤なハートが散りばめられてて。 むせ返りそうな甘いチョコの匂いで満たされてて。 知らないうちに。自然とウキウキしてる自分に気づく。
チョコを選ぶ人はみんな。いろんな想いがあるんやろな。 大好きなあの人に。いつもお世話になってるあの人に。 気の合う友達へのプレゼントに。がんばってる自分へのご褒美に。
だって甘いチョコは。日々の疲れを忘れて。幸せな気持ちにさせてくれるから。
いくつか職場の人へのプレゼントを用意した後で。 じっくり時間をかけて。そうるへのチョコを選んだ。
そうそう。ヤツが好きなのは生チョコなのよね。 甘さ控えめって書いてるからこれがちょうどいいかな。 あとお酒が入ってる種類のも欠かせへん。 あたしは食べられんからおもしろくないんやけどさ。
ふと周りを見渡して思う。 みんなあたしみたいにいろいろ考えて探してるんかな。 相手のことを考える。優しい気持ちが嬉しい。 こーゆうのがあるから。いくつになってもかわいいんやろな。女って。
そんなほくほくモードで。そうるに電話した。 用事はなかったけど。ちょっと声が聞きたかった。
バレンタインの話になって。いろいろ言ってたら。 だるそうな声で。そうるは言いやがった。
「めんどくさいやん。バレンタイン。」 「なんでやねん。イベントやん。楽しいやんか。」 「いやや。研究室内でどんだけ義理チョコ配ったことか。」 「あーなるほど。えーそれでも一応選んだりとか楽しくない?」 「楽しくない。どーでもええ人にあげるチョコなんてどーでもいい。」
「・・・あんたのことやから金かかるとかも思ってるんやろ。」 「当然。だいたい最近のチョコは高いのよねー困るのよねー。」 「きも。てか最近って・・・あんたいくつよ(笑)。」 「あたちはたち☆」 「・・・殴るで(笑)。」
電話の向こうで。そうるがケラケラ笑ってる。 柔らかい雰囲気が伝わってきて。あたしはほっとする。 あーご機嫌みたいやな。よかったよかった。 ちょっと前の疲れて尖ってるそうるじゃなくなった。
ただそれだけのことで。きゅーっと胸が鳴る。 自分の調子がいいこととか。気分がいいこととか。 そんな嬉しいことを全部越えるくらいの勢いで。 そうるが楽しそうっていう事実があたしを満たしていく。
やっぱこれやな。 こうでなくちゃな。 あたしとそうる。 こんな感じでなくちゃな。
ねぇそうる。こんなに簡単で分かりやすい真実なんて。 あたしの周りにはないんじゃないかと思える。 朝が来ると。目が覚める。 夜が来ると。眠くなる。 それぐらいの当たり前で絶対的な真実やと思える。
ねぇそうる。あたしはね。 あんたが笑うと。嬉しい。 あんたが笑うと。幸せ。
言葉にならないあったかい気持ちがね。 あたしの奥の方から。ぶわーってあふれてくるんよ。 こーゆうのって。どうやって説明したらええんかな。
分かってほしいな。あんたにも。 あたしの感じてるこの気持ち。 あんたがあたしに与えてくれるこの気持ち。 どこまでも強いくせに。どこまでも穏やかで。 揺るがないこの気持ちを。あんたに伝えたいな。
ねぇそうる。どうしよっか。 ねぇそうる。どうするよ。 またあたしの中で。あんたがキラキラし始めたよ。 どうにもこうにも。眩しくてたまらんくなってきたよ。
困った。でもええよ。あたしがあたしらしくなってきた証さ(笑)。 ↑むぅ。たまには「今すぐ欲しい!」とか冗談でも言ってみやがれ(笑)。 |