海外旅行に行ってきた。 友人と。ニューカレドニアに行ってきた。
とてもキレイなものを見すぎた。 とてもステキなことをしすぎた。
胸が痛い。苦しい。上手に息ができない。
青い空も。青い海も。 どこまでも広くて大きくて。 自分はなんてちっちゃいんだろうと思った。
陽の当たらないところで。 風の通らないところで。 あんなにも毎日クサクサして。 文句並べて。言い訳して。 人に気を使って。自分を疲れさせて。
あたしはいったい何をやってるんやろう。
人生で初めてダイビングをした。 日本人のインストラクターに軽く惚れた。 一緒にいたのはたった1日やったけど。 あんな人になりたいと思った。
すっごい海が好きなのが伝わってきた。 丁寧に教えてくれて。海中でもしっかり導いてくれて。 あたしの中の恐怖心を好奇心に変えてくれた。
いろんなものを見せてくれて。説明もしてくれた。 泳ぐのも自由にさせてくれて。見守ってくれてる感じやった。 なんてゆーか。ほんますべてがステキな人やった。
ダイビングの最後に見せてくれた彼の笑顔が忘れられない。
めちゃめちゃキレイでしょ。ここほんまいいポイントやからね。 海ってすごいでしょ。こんなおもろい世界もあるんやよ。 今日はありがとうね。一緒に潜れて楽しかった。 よかったらまた遊びに来てね。
満面の笑みを浮かべてそう言ってくれた。 反射的にあたしは泣きそうになった。
自分の働く環境を。そんなふうに誇れるのがうらやましかった。 あんなにも人を笑顔にできたり。こんなにも人を満たせたり。 そんなふうに誰かを癒すことのできる仕事もあるんやなと思った。 心底うらやましいと思った。ある種の嫉妬さえ覚えた。
あたしはいったい何をやってるんやろう。
彼がいるのが海の「青い」世界なら。 あたしがいるのは血の「赤い」世界で。
彼は開放的な大自然の中で。あんなにも笑顔なのに。 あたしは閉ざされた狭い空間で。いつも浮かない顔で。
同じ人間なのに。どうしてこうも違うんやろう。 楽しんで仕事ができる人と。そうでない人。 職場を愛せる人と。そうでない人。 後者は。どこで何を間違えたんやろう。 どこからやり直せば。前者になれるんやろう。
あたしはきっと。いらないものをたくさん抱えすぎた。 ほんまに必要なものなんて。たぶんそんなに多くない。 でも。働くうちに。少しずつ我慢することを覚えて。 何が大事かも分からんまま。無理して背負い込んで。 だんだん疲れて。すでに押しつぶされそうになってるのに。 それでもまだ。与えられるものを抱えようとしてる気がする。
あるがままでいいよ。無理しなくていいよ。 キミがキミらしく笑えることが1番大事なんやから。 そのために必要でないものは手放していいんやよ。
空も海も。そんなふうにあたしを見て笑ってる気がした。
ねぇそうる。旅の後ってみんなこんな気持ちになるんかな。 それともやっぱりあたし。ちょっといろいろ感じすぎかな。 うまく言えんくてごめん。あんたには伝わらんかもしれんけど。 ほんまに胸がいっぱいでどうしたらいいか分からんねん。
なんかもっと。人に何かを与えられて。 それによって自分も満たされることがしたいよ。 それを看護に求めたけど。ちょっと違う気がする。 だってあたし自身が自分に嘘をついて働いてるから。
彼の目には。彼の言葉には。嘘がなかった。 たぶんほんまに海が好きで。自然が好きで。 そこで働いてる自分に誇りを持ってる感じやった。
ねぇそうる。あたしもそんなふうになりたいと思った。 心からの笑顔で。ちゃんと誰かを癒したいと思った。 でもそのために。どうしたらいいかが見えないよ。 何に区切りをつけて。何を始めたらいいのか。 いっぱい考えてはみても。答えが見つからないよ。
分かんない。でも胸の奥で何かが渦巻いてる。 言葉にならない熱いものが込み上げてくる。 変わりたい。今のままじゃイヤなんだ。 何かを変えたい。もっといいあたしになりたい。
ねぇそうる。どうしよう。苦しくてしょーがないよ。 ↑ほんま夢の世界みたいやった。軽く眩暈がした。 |