***☆For My Dearest☆***



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男でも女でも関係ない。1人の人間として。
そうるはあたしにとって。かけがえのない最愛の人。

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2003年11月18日(火)手をつないで歩こう。

今日は。平日にも関わらず。そうると1日デートした。
そうるの研究室の教授が。学会で東京に出張で。
あたしの研究室の教授は。朝から病院の外来に出てて。
たまにはええよなって感じで。2人してサボってみた(苦笑)。

「せっかくやし。どっか出かけようや。」
「そうやな−。たまには県外に出よか。」
「てゆーか。たまには電車で出かけへん?」
「極端やなー。まぁええよ。行こか。」
「やったー☆イコカで行こかー☆(笑)」
「・・・あほ(苦笑)。」


そんなあたしの提案で。2人で京都に行ってきた。
関西人のくせに。あたしは京都はあんまり詳しくなくて。
「よっしゃ。京都なら任せとき。」って言うそうるに連れられて。
(そうるは京都に住んでたことがあるのね。)
お寺や神社をいくつか回って。のんびりした1日を過ごした。

まず行ったのは。駅からすぐってことで本願寺。
あたしのおじいちゃんの遺骨が納めてあるんやけど。
京都へ行ったら。あたしはまずここに向かう。
近くに来たってことで。顔を見せるつもりで。

おじいちゃんのことを思い出すと。いつも胸が痛む。

あたしは。おじいちゃんが大好きやった。
でもあたしは。おじいちゃんの最期に立ち会えんかった。
最期だけじゃない。おじいちゃんの容態がどんどん悪くなったとき。
大学受験直前やったことを理由に。あたしはお見舞いに行かんかった。

無事合格して。落ち着いたら会いに行こうと思ってた。
おじいちゃんがいなくなるなんて。全く考えてなかった。
身近な人の死を経験したことがなかったあたしは。
人の「死」ってものを。どうしてもリアルに捉えられんかった。

大学の合格発表の前日。おじいちゃんは逝ってしまった。
目の前が真っ暗になった。びっくりしすぎて涙も出んかった。
そして次の日。合格発表で。あたしは志望校に落ちた。
ダブルショックで。もう本気でおかしくなりそうやった。

あのときほど。自分を責めたことはない。

自分の都合を優先させて。身内の死も看取れんような。
そんなヤツが医療技術者になろうなんて。きっと間違ってる。
本気で会おうと思えば。どうにでもして会いに行けたはずや。
いろんな理由をつけて。結局は少し面倒に思ってたんや。
なんて醜い思考やろう。なんて汚れた心やろう。

お葬式の間中。あたしはずっと下を向いてた。
おじいちゃんに合わせる顔がなかった。
棺の中のおじいちゃん。久しぶりに見るその姿は。
眠ってるかのようで。ほんまに穏やかやった。
でも頬に触れると。凍りつくように冷たかった。
もう死んでしまったことを。あたしは指先で思い知った。

もう何も伝えられん。もう何も聞かせてもらえへん。
そう思ったら。どうしようもなく怖くなって。涙が溢れた。
会いに行かんかったことを。心底悔やんだ。

人は人生において。いくつか闇を抱えると思うけど。
あたしの心に。あの春の日は大きな影を落としてる。


そうるには。この話をしたことがあった。
やっぱり黙って聞いてくれた後で。
「きっとその気持ちは伝わってるって。」って。
優しいことを言ってくれて。あたしを泣かせた。

だから。本願寺に行きたいって言ったあたしに。
そうるは何も言わずに付き合ってくれた。
ちょっとしんみりしてるあたしの横で。
「初めまして。おじいちゃん。」って言って。
手を合わせるそうるの姿は。ちょっとかわいかった。

おじいちゃん。ほら見て。
この人が。あたしの最愛の人やで。
あほやけどね。かっちょいい人やねん。
冷たいけどね。優しい人やねん。
むかつくけどね。尊敬できる人やねん。
この人に出会えて。あたしは幸せに生きてるで。
いつも見守ってくれて。ほんまにありがとうね。

届け届けと祈りながら。あたしはおじいちゃんに呼びかけてた。


本願寺から出たところで。そうるはあたしの手を握ってくれた。
そうるから手をつないでくれるのは。ちょっと珍しくて。
あー久しぶりの感覚やなーと思って。嬉しかった。

清水寺。高台寺。それから八坂神社。
そうるはずっと。あたしと手をつないでくれてた。
バイクに慣れてるあたしたちが。ゆっくり並んで歩く。
普段はあんまりないことやから。すごい新鮮な時間やった。

歩くのが早いそうるが。あたしに合わせてくれる。
遅いあたしが。そうるに合わせてちょっと大股で歩く。
なんかそーゆうちょっとしたことが。くすぐったかった。
バイクで背中を抱き締めるときより。密着度は少ないけど。
つながれた手からは。そうるの体温がダイレクトに伝わってきて。
あたしの体に染み渡って。優しい気持ちにさせてくれた。

流れていく景色のスピードは。いつもと全然違ってた。
ちょっと紅葉した京都の景色。あったかい日差し。
隣には。八つ橋をつまみ食いしてにんまり笑うそうる。
たまにはこーゆうのもいいなぁって思った。
なんか穏やかで。幸せな1日やった。


ねぇそうる。今日はなんか。のんびりできてよかったね。
熟年カップルのように。まったりした時間やったやん(笑)。
スピードを出すことに慣れて。飛ばしまくりのあたしたちやけど。
たまにはこうやって。2人で手をつないで。ゆっくり歩くのも大事やね。

最近感じたこと。考えてること。くだらんこと。
何でもいいから。とりとめもなくしゃべりながら。
紅葉を見上げて。青い空を見つけて。秋を感じる。
そーゆうのって。最近やってなかったからさ。

なんかね。この前のバイクも幸せやったけど。
今日並んで歩いたのは。もっと幸せに感じられた。
あたしの話を聞いてもらえた。あんたの話を聞けた。
それだけのことやけどね。嬉しかったんよ。

ありがとうね。そうる。また手をつないで歩こうね。






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