***☆For My Dearest☆***



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男でも女でも関係ない。1人の人間として。
そうるはあたしにとって。かけがえのない最愛の人。

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2003年10月12日(日)君を忘れない。

試合の日のそうる。大好きなそうる。
忘れたくなくて。心に焼き付けたくて。
あたしは。ずっとその姿を目で追ってた。

たぶんしばらく。あんなそうるは見られんから。


そうるは。いつもと何も変わらんかった。
それは。よく考えれば当たり前のことやった。
いつだって冷静なのがそうる。落ち着いてるのがそうる。
あたしみたいに。感情に飲み込まれたりなんかせんくて。
ただひとつ。自分のやるべきことをちゃんと分かってる。
そんなそうるは。この日もやっぱり健在やった。

なんでこの人は。こんなにも普遍的なんかなぁって。
そうるを見てると。尊敬を通り越して不思議になることもある。
でもたぶんそれは。そうるの性格とかもあるんやろうけど。
あたしとしては。元キャプテンの名残かもなぁと思う。

チームの中のエースが。精神的動揺なんて見せるもんじゃない。
そうるはいつだって。誰よりもそーゆうことをよく分かってる。
それが。そうるがみんなに愛される理由かもなぁとも思う。
まぁもちろん。もともと強気で負けず嫌いってとこもあるけど。
自分がチームに与える影響力の大きさを知ってるからこそ。
どっしり構えて。大丈夫やって笑って見せる。それがそうる。
悔しいくらいにかっちょいい。あたしの最愛の人。


試合中のそうるとは。いくつか絡むプレーがあった。
アイコンタクトを交わしてのプレー。指示して指示されてのプレー。
今までも何度もやってきたことやけど。その楽しさを改めて感じた。
うまくいったときの最高の喜び。してやったりという誇らしさ。
ミスって罵声を飛ばされるときの痛み。溢れまくる「ちくしょう」って気持ち。
全部全部。あたしにとってはかけがえないものやった。

そしてもちろん。独走していくそうるのプレーには。
いつもながら。泣きそうなくらい胸が熱くなった。
走って。ボールをもらって。どんどん加速していくそうるは。
なんてゆーか。ほんまに風のようやった。
自由で。楽しそうで。自信に満ち溢れてて。
眩しすぎて直視できん光のようやった。

やばいくらいかっちょよかった。惚れ直した。
あたしにはやっぱりこの人しかおらんって。再確認した。


試合が終わって。みんなで写真とかを撮ってるときに。
あたしはぼんやりと。去年のことを思い出してた。
(日記にも書いてました。こちらです。)
最終戦の後で。そうるが胴上げされて秋の空に舞ったこと。
その後で。みんなの輪から離れて。そうるがひとりで泣いてたこと。
ひとつひとつを思い出して。ちょっと感傷的になってた。

今年1年は。キャプテンの任からは解かれたそうるやったけど。
その微妙な立場から。また別のしんどさがあったみたいやった。
口出ししたくなるけど。現キャプテンの立場を尊重せなあかん。
でもやっぱり。いろんなことに気づくだけに言いたくもなる。
そうるの中で生まれてたジレンマ。あたしはちゃんと気づいてた。

「あーでも。うち絶対口出しすぎ。うるさすぎ。」って。
珍しくたまに愚痴ってきては。へこんでるそうるに。
「そんなことないって。あんたは必要とされてるんやから。」って。
ありきたりのことしか言えん自分が悔しかった。
でも。思い上がりかもれんけど。誰よりもそうるを分かってるつもりやった。
支えたなんてえらそうやけど。ちょっとでもラクにしてあげられたらと思ってた。

気づかれてないと思ってた。当たり前のことにされてると思ってた。
でも。そうじゃなかった。そうるはやっぱり。さすがやった。


試合後。まひろとはつねが買出しに行ってて。
ちょっとだけ。そうると2人になれる時間があった。
グランドの隅に座って。ストレッチしながら話してるときやった。

「今年1年は早かったなあ。ほんまに。」
「そうやなぁ。あっという間やったなぁ。」
「まぁラクっちゃラクやったけど。うるさい上回やったと思うわ。」
「いやいや。あんたはよく抑えてた方やと思うで。お疲れ。」

そんなふうに。そうるをちょっとねぎらったら。
チラっと顔を見られて。やっぱりちょっと笑われた。
久しぶりに。あたしだけに笑ってくれた顔やったから。
なんかちょっとドキっとさせられてたら。
その後で。予想外の言葉をもらった。

「いやーでもまじであんたがおってくれたからや。」

びっくりした。ちょっと耳を疑った。
こんなストレートなセリフを。言われるなんて思ってなかった。
顔を上げてそうるを見つめたあたしは。相当変な顔をしてたと思う。

そうるは。そんなあたしの横で。淡々とやけど言ってくれた。

元キャプテンやってことで。必要以上にうるさいことを言いそうになって。
実際言ったとしても。抑えて言わんかったとしても。
そうるの中には。モヤモヤした気持ちがいっぱい残ってたらしい。
どっちに転んでも。それなりの悩みがあったらしい。
でも。そーゆうのをあたしに話したことで。
「大丈夫やろ。」って言葉をあたしからもらったことで。
少なからずそうるは。救われた部分があったんやって。

知らんかった。ちっとも知らんかった。
そんなふうに思ってくれてたなんて。
あたしがそうるを救えてたなんて。

「ありがとうな。」って言われて。ぶわーって涙が出てきた。
違う。ありがとうを言いたいのはあたしやって。
あたしこそ。あんたがおったから続けてこれたんや。
あんたと一緒やから。もっともっとがんばりたいと思えたんや。
そんな気持ちを伝えたかったけど。あんまり言葉にならんかった。
あげく。頭をポンポンってやられて。もう胸いっぱいになってもた。


ねぇそうる。あたしはいつもあんたにしてもらうばっかりで。
あんたに何かできてるなんて思ってなかった。
そーゆうのは思い上がりやと思ってた。勘違いやと思ってた。
でも。たとえちっちゃなことでも。あたしはあんたを救えてた。
その事実が。何よりあたしには嬉しかった。
そしてそーゆうのを。ちゃんと言葉で伝えてくれるあんたを。
さすがやと思った。見習いたいと思った。

あたしはさ。気持ちこそいっぱい抱えてるものの。
いざ言葉にしようとすると。照れたり悔しがったりして。
思いをそのままあんたに伝えることが。めちゃめちゃ下手やと思うねん。
何を強がってるんやと自分でも思うんやけど。
この強い愛情が。どうしてもあんたの負担になると思ってもたり。
その結果あんたに嫌われることになったらどうしようと思ったり。
余計な心配をしまくりで。ちっとも素直になれへんねん。

でもあんたは。普段ちっとも優しい言葉をくれへんくせに。
いざとなったら。ほんまにシンプルに。あたしに気持ちを伝えてくれる。
普段あんなにも憎たらしい笑顔しか見せんくせに。
いざとなったら。ほんまに柔らかい笑顔をあたしに向けてくれる。
ずるい。そう思うけど。でもきっとそれがあんたのいいところやと思う。
そしてあたしはきっと。あんたのそーゆうところに惚れたんやと思う。

ありがとうそうる。あんたの言葉はほんまに嬉しかった。
だからあたしも。もっともっと素直になりたいと思った。
大好きなあんたに。まっすぐに好きって言えるように。
溢れ出すあったかい気持ちを。ちゃんと伝えられるように。

あぁそうる。あんたはやっぱりかっちょいい。
プレーにしても。考え方にしても。やることにしても。
なんかあまりにもかっちょよすぎて。胸が熱くなる。
こんなにもあたしを。感動させてくれてありがとう。
こんなにもあたしを。幸せな気持ちにしてくれてありがとう。

そうる。あんたの姿。言葉。思い。全て。あたしは忘れないからね。





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