今日は。そうるの院試2日目。
練習があるはずやった今日やけど。朝方の雨のせいで中止になった。 あたしは1日。適当に勉強しつつダラダラ過ごすつもりやったけど。 大学に行って。そのついでに駅前まで足を伸ばして。所用をいろいろ片付けてた。
時計をふと見ると。12時半ぐらいやった。 あーそろそろおなかすいたなぁと思ったときに。携帯が震えた。 開いて表示を見ると。そうるからの電話やった。
「もしもし?」 「もしもし。うち。今家におる?」 「うんにゃ。ちょっと出かけてる。どした?」 「あーそうなん。いやビデオ回してほしいなぁと思って。」 (ビデオってのは。ちょっと前の試合内容を撮ったもの。) 「あーごめん。まだやることあるねん。1時間後とかでもよければ渡すけど。」 「まじでー。1人で1時間待つのは辛いなぁ。ほな明日でええわ。」
あたしの頭の中は。残念な気持ちでいっぱいになる。 せっかくそうるが電話をくれたのに。会えるチャンスやったのに。 あーあ。出かけたりなんかせずに家におればよかった。 会えんのなら。とりあえず声をいっぱい聞いとかんと。 そう思って。あたしは話を続けてた。
「院試もう終わったん?」 「うん。さっき終わったところ。今日はまぁぼちぼちかな。」 「そーなんや。なに?昨日の方ができた感じ?」 「そうやな。昨日は明らかにうち天才やーって思ったし(苦笑)。」 「そっかそっか。おつかれさん。後は面接だけやね。」 「おうよ。まぁ面接対策なんて今さらやし。今日はゆっくりしよかな。」 「そうやな。2日間の疲れをちゃんと取っとき。」 「おう。・・・まぁだから会おうと思ったのもあるんやけど。」
聞き流してしまいそうなくらいに。あっさりとそうるは言った。 ふーん・・・って普通に答えた後で思わず。え・・・って言ってもた。 電話の向こうで。そうるがちょっと笑うのが聞こえた。 明らかにあたしの反応を楽しんでた。いつものそうるやった。 なんか悔しくなって。あたしは努めて冷静に答えた(苦笑)。
「まぁでも明日の自主練で会えるやん。」 「・・・はいはい。そーですね。ほなお元気で。」 「なんやねん。何を拗ねてるねん(苦笑)。」 「拗ねてへんがな。別にええがな。」
攻守逆転。今度はあたしがそうるを笑ってやった。 たまにはこーゆうのもありやな。うん。悪くない。
「会いたいくせに。会いたいって言え。」 「うるさい。あんたこそ言え。」 「うちは別にー。もう明日でええしー。」 「そんなんあたしだって明日でええもん。」 「・・・もー。素直じゃないなぁ(苦笑)。」 「・・・お互いさまやろ(苦笑)。」
言い合ううちに。おかしくなってきて2人して笑ってた。 子どものケンカみたいなやり取り。じゃれあい。 あぁ。これや。あたしはこーゆうのがずっと欲しかったんや。 ゆっくりそうると向き合う時間がなかった最近で。 あたしがずっと足りんと思ってたのは。こーゆうあほな会話やった。 あほな会話をやらかして。あほみたいに疼きまくる胸やった。
返ってくる。もうすぐあたしがあたしに戻れる。 大好きなそうるのそばで笑う大好きなあたしに戻れる。 そんなふうに思ったら。それだけでめちゃめちゃ幸せやった。
ねぇそうる。なんかやっぱり冗談いっぱいの電話になってもたけど。 あたしはさ。あんたが最初に言ってくれた言葉が嬉しかった。 「だから会おうと思ったのもあるんやけど。」って言葉。 聞き流しそうになって。噛み砕いて。ちょっと浮かれそうになった。 でも照れくさくて。悔しくて。平気なフリをしてやった。
そっか。あんたはあたしに会うと疲れが取れるんや。 そっか。あんたもあたしに会いたいと思ってくれてたんや。 ビデオって理由もあるけど。たぶんそれだけじゃなくて。 久しぶりに一緒にごはんでも食べようって思ってくれてたんや。
そっか。必要としてるのは一緒なんやね。 大好きな気持ちも。きっと一緒なんやね。
ねぇそうる。明日はあんたがきっと泊まりに来てくれる。 約束したわけでもないけど。あたしには確信がある。 そしたら。あたしめちゃめちゃ素直になって。あんたに甘えるわ。 今日のあたしは素直じゃなかったけど。本心は言わんかったけど。 明日は。あんたが困ってまうくらいに。もうやめれーって言うくらいに。 あほになって。あんたを愛しまくってやるわ。だから覚悟しといてな(苦笑)。
あぁなんか。ほんま心の底から幸せな気持ちが溢れてくる。やばい。
↑それだけで。あたしはきっとまた胸いっぱい。 |