そうるの声が聞きたいなーと思って。 どうしても我慢ができんくなって。電話した。
話題なんてどうでもよくて。ただ話したいだけやったんやけど。 勉強がんばってるそうるに。いきなり電話をするのは気が引けて。 ちょっと考えて。とりあえずの用事を作った。
なんでやろう。あたしは未だにそーゆうのを気にしてまう。 遠慮してるつもりはないんやけど。そうるの都合を考えてまう。 今は集中したいときかもしれんとか。疲れてるかもしれんとか。 いろいろ考えると。もう別にいいかーって我慢してまうこともある。
でも今日は。どうしてもそうるの声が聞きたかった。 夢の中みたいに。かっちょいいセリフを言ってくれんくていいから。 憎まれ口でもいいから。そうるに名前を呼ばれたかった。
2コールぐらいで。そうるはあっさりと電話に出た。 あたしは。用意した質問をそうるに投げた。
「もしもし?」 「もしもし。あたし。今大丈夫?」 「あーええけど。どしたん?」 「あのさー。髪を黒に染めようと思うんやけどさ。」 「あーそっか。そろそろ就活本番やもんな。」 「そう。で、自分でやったらどれぐらいもつもん?」
そう。あたしの今の髪は明るめの茶色で。けっこう傷んでる。 肩下まである長いストレートやけど。毛先は金色に近い(涙)。 さすがにこれで就活はまずいよなーってことで。 黒にせんとあかんのやけど。お金かかるのは困る。
てことで。市販のでやろっかなーと思ったんやけど。 マジメ一筋(?)やったあたしは。自分で染めたことが全くないから。 どんなもんかなーと思って。そうるに前から聞きたかった。
だってそうるは。自他ともに認める毛染めプロやから(笑)。
そうるは。何度もブリーチ&カラーリングを自分でやってる。 高校時代には赤。紫。緑。そして大学に入ってからは青。黄。(←ひぇー。) ・・・まぁもちろん純色じゃなくて。メインは普通の茶色やけど。 光の当たり具合によって。ちゃんとその色を発揮する染め方をしてた。 (高校時代については写真で確認済み☆)
「髪なんて生えてくるもんやん。失敗したら切ればええんやし。」 そう言って。毎回いきなり髪色を変えてくるそうる。 散々いろんな色で遊んだかと思えば。いきなり真っ黒にしてきたこともあったし。 (就活の時期じゃなくて。普通に1回生の頃とかに。) そーゆう潔さは。あたしの1番憧れとするところやったりもする(苦笑)。
「髪によるかもやけど。けっこう長持ちするで。」 「あーそうなん?簡単に落ちるもんやと思ってた。」 「いや。むしろ次に色抜くのが大変なくらいやし。」 「ふーん。でも自分で染めたらムラにならへん?」 「いや。それは意外と大丈夫。そこまで気にならへん。」 「でもあんたはショートやもん。あたしは長いし・・・。」 「あー・・・うーん。どうやろ。市販で十分やと思うけどなぁ。」 「そっか・・・分かった。じゃあ今度やってみるわ。」
久しぶりに声を聞くってのに。めちゃめちゃ普通の会話やった。 用件は終わったけど。そうるの声は確かに聞けたけど。 なんかもの足りんくて。あたしは電話を切れんかった。
だって。もう1週間も会ってないんやもん。夢に見るほどに恋しいんやもん。 この寂しさを伝えたいけど。伝えてええんかな。どうすれば伝わるかな。 そんなことばっかり考えて。だらだらしゃべり続けてた。
「勉強どうなん?がんばってる?」 「あーまぁな。でも今週は全然やれてへん。」 「だって旅行やったやん。しょーがないって。」 「そうやけど。でもやばい。」 「そっかー。まぁ根つめすぎんように。」
そうるは。あたしの言葉にうなづいて。それから強い調子で言った。
「でも来週はほんまに勉強する。」 「お。言うたな。宣言したな(笑)。」 「したで。宣言することで自分を追い込んでるねん。」 「・・・あーなるほどね・・・(苦笑)。」 「もー笑うなや。マジやっちゅーねん。」 「ごめんごめん。有言実行か。ええやん。がんばりや。」
ちょっとマゾヒストな発言に笑ってもたけど。なんか嬉しかった。 本気になったそうるのかっちょよさは。あたしが1番知ってる。 がんばり抜くそうるも。いざとなったら自分に厳しいそうるも。 あたしはちゃんと知ってるし。微塵も疑ってない。
やる気になってる。いいぞいいぞ。そうるが熱くなってる。 それは。あたしの心を捕えて離さんプレーに対しての熱じゃないけど。 勉強っていう。そうるにとって今1番がんばるべき場所で。 そうるがちゃんと本気になってることが。あたしには何より嬉しかった。
ねぇそうる。最近あんたと会えてなくて。 電話する時間も。メールの件数も。明らかに減ってて。 寂しいなぁとか。構ってほしいなぁとか。望みまくりのあたしやったけど。 でも。そんなの忘れるくらいに。あんたの本気の声はかっちょよかった。 久しぶりに聞いたせいもあるんやろうけど。ちょっとゾクゾクした(笑)。
あんたがそんなに本気モードになってるんなら。 あたしはそれを支えてあげたいなーって素直に思った。 ちょっとぐらい会えんくても。わがまま言わんようにしようって思った。 そして。そんなあんたにつり合うように。あたしもがんばらなーって思った。 いつものしんどいMUST思考じゃなくて。すごく前向きに思えた。
次に会うときに。あんたがあたしを見て。 あーいい顔してるな。ちゃんとがんばってるんやな。 そう思ってくれることが。きっとあたしにとって1番の幸せ。 そんなふうに認めてもらえると思ったら。背筋がシャンと伸びる感じ。
そうる。まだもうちょっと会えなさそうやけど。お互いがんばろうね。
↑こうやって地味に笑わせてくれるところも。実はけっこう好き(笑)。 |