今日は。3日ぶりにそうるに会えた。 それだけで。単純なあたしは幸せやった。
うまい大学の試合を見に行ってきた。 あたしは。サークルの友達と一緒に会場まで行ったんやけど。 そこに遅れて。小走りで現れたそうるを見て。 「1時間もかかるなんか思わんかったー。」って愚痴る声を聞いて。 愛しい人がちゃんとそこにいる事実に。なんかじんわりしてもた。
・・・なんやねん。なんでこんなに反応するねん。あたしの心。
たった3日ぶりでも。ずいぶん久しぶりに顔を合わせたような気分で。 あたしは。頭の先から足の先まで。そうるのことを観察してた。 染めてから時間が経ってプリン状態になってきた髪とか。 最近かさついてちょっと荒れぎみの唇とか。 キャラに似合わずちっちゃくてかわいい指の爪とか。 そういう部分が全部全部。愛しくて愛しくてしょーがなかった。 そして。じーっとそうるを盗み見てるうちに。頬が火照ってくる感じがした。
・・・あーあ。こういう場所でも素直に反応しやがって。あたしの体。
あたしは。自分は素直じゃないってよく書いてるけど。 心も体も。こんなにも分かりやすいくらいに反応するんよね。 結局。素直じゃないのはあたしの意志とかそーゆうものなんやと思う。 じんわりする心も。火照る体も。感じたものをそのまま表したがってる。 そういうのを認めずに。隠そうとするあたしの意志が。 つまりは1番素直じゃないんやろうと思う。
そうるのことを大好きやって思う気持ちは。 今のあたしの中で。1番強い感情やと思うし。それは自覚してる。 でも。そういうのって。なんか悔しい。うん。悔しい。 なんでこんなに夢中にさせられてもたんやろうって。 これ以上好きになったら。またそうるを調子に乗らせてまうやんって。
そう思うのと同時に。この気持ちがそうるの重荷になったらどうしようとか。 こんなに思いすぎたらそうるを縛ってまうかもしれんとか。 矛盾してるかもやけど。そういうことも考え始めたりして。 結局。どっちにせよ。あんまり好きになりすぎたらあかんって思ったりして。 ちょっと思いをセーブしようとしてがんばってみたりする。 心と体にブレーキをかけて。素直に表すのを止めてみたりする。
でもそういうのって。自分もしんどいし。楽しくない。
そう。いつやったか。そうるに言われたことがある。 あたしは。そうるに言われた言葉はたいがい覚えてるけど。 中には。絶対に忘れられんような決めゼリフもあったりして(苦笑)。 そういうのは思い出すたびに。あたしを耳まで赤くさせる言葉やったりする。
確かケンカした後やった。ケンカの内容ははっきりとは覚えてへんけど。 たぶんしょーもないことで。あたしが機嫌悪くなって。引っ込みつかんくなって。 自分が悪いことも分かってるけど。うまく謝れんかったときのこと。
大好きなそうると。早く仲直りしたくてしょーがないのに。 怒ってるそうるを感じてた。呆れてるそうるが怖かった。 「ごめんなさい。」が言えんくて。あたしはどうにも動けんくなってた。 そーゆうときのそうるは。黙ってあたしの出方を待ってる。 根気強く。まるで親が子どもに教えるように。 あたしが自分で考えて答えを出すのを。ただ黙って待ってる。
それは。見守るってことなんやと思う。 そうるの。あたしへの最大限の優しさなんやと思う。 冷静になって。後から思えばそれは理解できるんやけど。 心がショボンってなってるときのあたしには。そんなことは分からんくて。 そうるが作り出す沈黙を。怒りやと勘違いして。泣きそうになる。
そして。いつもの元気はどこへやら。しおらしくなって。 「・・・ごめん。」って言うのが精一杯になったりしてた。 下手すれば涙も零れそうな情けない状態になってたあたしに。 そうるは。いつもみたいにフッて笑って。言ってくれた。
「あんたがうちにぞっこんラブなんは分かってる。」 「だから心配せんでよろしい。素直になりんしゃい。」
ちょっと遠回しなそうるの言葉。でもあたしにはちゃんと届く。 嫌われたかもしれんって思って。びびってたあたしの気持ちを見抜いて。 あたしが自分(そうる)を好きなことは理解してるから。受け止めてるから。 嫌いになったりはせーへんよって。だから思ってること言ってええよって。 そうるはあたしに言おうとしてくれたんやろう。
それにしても。ぞっこんラブって・・・(苦笑)。 あたしは思わず。泣きそうになりながらも吹き出してしまう。 そうやって笑ったあたしを見て。そうるも満足そうに笑う。
あ。もしかしてわざと寒いこと言ってくれたんかな。 涙顔のあたしを。笑顔にするために。ピエロになってくれたんかな。 そう思ったら。あたしはまた泣きそうになって。 そんな自分がまた悔しくて。うつむいて涙を隠してた。
ねぇそうる。あんたはいつだって。あたしより一枚上手。 素直になりたいのに。素直になれんあたしを分かってて。 ちゃんと気持ちを表せるように導いてくれる。 あたしが。素直じゃないあたしの意志を殺して。 素直に。ありのままで笑えるのは。あんたのおかげ。
でもいつか。あんたにそうやって助けられんくても。 いつだって自分の気持ちに素直になれるあたしになりたい。 すべてを感じたままに。表せるようなあたしになりたい。 そう。好きなら好きで。この気持ちに自信を持って。 あんたに向かって。いつでも笑えるあたしになりたい。
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