***☆For My Dearest☆***



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男でも女でも関係ない。1人の人間として。
そうるはあたしにとって。かけがえのない最愛の人。

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2002年11月17日(日)もう涙だらけやし。

昨日の試合後。飲み会があって。
みんなとりあえず。涙涙の飲み会やった。
0次会。1次会。2次会・・・と散々飲みまくって。
3次会で。朝までファミレスで語り明かした。


0次会。アホアホなあたしたちは。
コンビニで缶チューハイを買ってきて。近くの公園で飲んだ。
飲んでは走って。走っては飲んで。(さすが体育会系。)
頭とかガンガン振って。あっという間にフラフラになった。
それから。二人三脚とかして。店まで走って行った(笑)。

負けたツライ試合のことは忘れて。とにかく酔いたかった。
引退なんてことも忘れて。とにかく酔って笑っていたかった。


1次会。さらにアホアホなあたしたちは。
最初に適当にご飯を食べた後は。ひたすら飲んでた。
コールとか連発して。とにかくすごい量を飲んだ。
飲んで笑って。少し冷めたら泣き出して。うるさい飲み会やったと思う(苦笑)。
あたしは。飲むとまたそうるに絡んでややこいことになると思って。
それはやめとこうと思って。ちょっとセーブしつつ飲んでた。

少し離れたところで。まひろが飲んでた。
その向かいにそうるがいるのを見つけて。あたしはまひろの隣に座る。
まひろは。日本酒大好きで。よくチビチビ飲んでる(笑)。
まだ若いくせして。中年のおっさんみたいやなーってみんな言うけど。
まひろは。そういうのは気にしない性格で。一人で熱燗を2本ほど空けてた。

みんなが散々泣く中で。まひろだけは全然泣いてなかった。
「あんた泣かへんなー。」「寂しくないんかいなー。」とか。
みんなにいろいろ言われて。まひろは言ってた。
「寂しいに決まってるやん。寂しいから飲んでるねん。」
「だから今日の試合にしたって。盛り上がれんかってん。」

あたしは思い出す。そういや今日のまひろは元気がなかった。
試合前に。ポジションが近いあたしとまひろはよく作戦とかを話すけど。
今日は。声をかけてもイマイチ乏しい反応やった。
試合後とかも。みんなで写真を撮ってるときとかも。
なんとなくいつもより静かやったまひろを。あたしは思い出した。

まひろもそうると似てるとこがあって。
あんまり感情を表に出そうとはせーへんくて。
だから。クールやと思われがちなんやけど。
そっか。まひろも。引退を寂しいと思ってくれてるんや。
そう思ったら。あたしはもらい泣きして。(まひろは泣いてないけど。)
「また泣くしー。」って。そうるに頭をボンボン叩かれた。
それがまた心に響いて。どうしようもなくて。あたしは突っ伏して泣いた。
そうるもまひろも半分笑って。あたしの頭を撫で続けてくれた。


2次会。やや語りモードになりつつも。まだみんなで飲んでた。
あたしたちの学年は。もともとみんな飲める学年やけど。
こんなにも盛り上がって飲んでるのは。久しぶりやと思いながら飲んだ。
「いろいろあったよなー。」とか言って。思い出話に花を咲かせるうちに。
じんわりきて。あたしはだいぶ言葉数が減ってきてた。

そうるは逆で。酒が回ってくると語り始める方で。
キャプテンとしていろいろ大変やったことを。ポツポツ言ってた。
内容は。ほとんどあたしの知ってることばっかりやった。
話してもらったこととか。話されなくても気づいてたこととか。
そういういろんなことをそうるが語って。みんなで聞いてた。
聞くうちに。あー。そんなこともあったなぁとか思い出したらせつなくて。
そうるの気持ちを抱えたら。あたしはいっぱいになって。また泣いた。
そして。「なんで泣くねん。」って。後からまたそうるに言われた。

なんでって言われてもね。そうる。知ってるくせにさ。
あんたが絡むと。いつだって平静ではいられへんあたしのこと。
あんたの思いとか。感じたこととか。そういうのを想像するだけで。
胸が熱くなって。簡単に泣けてくるあたしのこと。
あたしね。もうそういう体になってるねん。あんたのせいやで(苦笑)。


3次会。飲みに疲れて。ファミレスに移って腹ごしらえ(笑)。
あたしはきのこ雑炊。そうるはオニオンスープ。
おなかがいっぱいになって。眠くなってきて。
テーブルに突っ伏して。そうるとあたしは眠ってしまった。

夢を見た。夢の中ではまだ試合をしてた。
競り合ってて。あたしは必死になって走ってて。
そうるの声が聞こえて。パスを出して。そうるも走って。
でも。シュートは決まらず。点は入らず。逆に攻められて。
かなり苦しい展開になったりして。また走って。
イヤだ。負けたくない。勝ちたい。勝ちたい・・・!

「・・・おい。ちょー!」肩を揺すられて。あたしは目を覚ます。
そこには。そうるがいて。心配そうにあたしを見てた。
「大丈夫か?めちゃめちゃうなされてたで。」そうるは言う。
「あー。夢か・・・。試合の夢見てた。」あたしはまだぼんやりしてた。
「・・・そっか。」そうるはそう言ったきり。黙ってしまった。
「あー。勝ちたかったなー。」あたしは。吐き出すように言って。
また涙がじんわりと浮かんできた。(ほんまに泣きすぎやんね・・・。)

終わったことがまだ信じられんくて。
試合にしても。まだ次が普通にあるように思えて。
どれだけ泣いても。イマイチ実感がないままで。
よく分からん。あたしが引退とか。そうるも引退とか。
あたしたちの生活からサークルが消えるとか。・・・ありえへん。

「まだ泣くんかい(苦笑)。」ってそうるは言ったけど。
そういうそうるの目だって。十分しっかり潤んでて。
その涙がまたあだしの涙腺を刺激して。新たな涙を生む。


ねぇそうる。抜け殻って言うのは。こういうことを言うんやろうか。
今のあたし。大事なことをひとつ終えたのはいいけど。
なんか。どうしたらええんか分からんのやけど。
感謝する気持ちとか。そういうのはいっぱいあるんやけど。
信じたくないし。受け入れたくないし。認めたくないし。
なんとなくまだ当分は後ろ向きな気がするんやけど。

そうる。あんたも同じ気持ちなんかなぁ。





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