***☆For My Dearest☆***



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男でも女でも関係ない。1人の人間として。
そうるはあたしにとって。かけがえのない最愛の人。

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2002年10月10日(木)快感に溺れて。

100の言葉を交わすより。ただ抱き合うことが。
気持ちを伝えられることもある。
あたしはそうるにそれを教えられた。
そして。今日もそうやった。

「今日空いてる?」そう聞いてきたのはそうるやった。
あたしは言いたいことがいっぱいあって。でも結局何も言えないままで。
うまく笑えばいいのに。今日はそれさえ出来なかった。
そんなあたしに。昼練の後でそうるが声をかけてきた。

「うん。今日はもう講義終わりやねん。」あたしはそう答える。
精一杯明るい声を出した。そうるにどう届いたかは分からないけど。
そうるはそんなあたしに向かって。顔を見ないで言った。
「うち3限あるから、それが終わったら部屋行くわ。」って。
「・・・んー。分かった。じゃあ待ってる。」あたしは答えた。

なんやろう。なんか話があるんかな。
やっぱりサークルのことやろうか。
またあたしの中のぐちゃぐちゃを見抜かれたんやろうか。
思いはいろいろ交錯したけど。
とりあえずあたしは部屋に帰ってそうるを待つことにした。

何も食べるものがなくて。とりあえずドーナツ購入。
お湯を沸かして。色違いのマグカップを並べる。
なんやろう。なんやろう。怖い。なんか怖い。

でももう決めたし。そうるの前で暗くなんかならんようにせな。
そうるの重荷になりたくないし。めいっぱい明るくしとこう。
そう思いながら。わざと明るいBGMなんか流して。そうるを待った。

3時過ぎ。チャイムが鳴る。あたしはドアを開ける。
そこには。愛しい人が立っていた。
「早かったなぁ。講義早く終わったん?」あたしは言う。
「んー。今日はラッキーやった。」そうるも普通に答える。
大丈夫。いつもと何も変わらない。あたしは自分に言い聞かせる。

あたしがコーヒーを入れてる間。そうるは何も言わなかった。
沈黙が。あたしを追い詰める。心臓の音が聞こえる。
何か言って。そうる。黙ってないで。お願い。・・・そう祈った。

ドーナツとコーヒーをトレイに載せて。あたしは部屋に入る。
テーブルの上にトレイを載せて。なぜか。そこに座れずにいた。
座ったら。メインイベントが始まってしまう。そうるの話が始まってしまう。
それが怖くて。あたしは立ったままでいた。
そうるはあたしの方を黙って見上げてた。そして。
あたしが想像すらしなかった意外なことを言った。
「なぁ。抱き締めてもいい?」

「・・・へ?」あたしはワケが分からなくて。まぬけな返事をしてしまった。
こんなときに。何を言い出すんや。そうるは。
試合のこと。オーダーのこと。何を言われるかビクビクしてたあたしに。
抱き締めていいかとか。なんで聞くんや。意味が分からん。

すっかり目が点になってるあたしに。そうるは言葉を続ける。
「明日からは試合モードやから。今日はあんたモード。」
そして。ちょっと笑って立ち上がると。あたしのことをぎゅって抱き締めた。

「・・・なんで?」あたしは思わず言ってしまった。
「そんなことのために来たん?」って。
あぁ。自分から話題をそっちに持っていってどうする。
そう思ったけど。もう止められなかった。
そうるはあたしを抱き締めたままで言った。
「・・・そんなこととか言いなや。」って。そしてあたしを抱く腕に力を込めた。
つぶされそうなくらいに。そうるに体を押し付けられる。
「違うやろ。なんか言いたいことあったから来たんやろ?」
「ちゃんと言ってや。もう大丈夫やから。」あたしは言った。
泣きそうになったけど。絶対泣くまいと思って堪えた。

そうるは言った。笑って言った。
「普通にあんたのこと抱き締めたかっただけやで。」って。
「なんでよ。そんなわけないやん。」あたしは言った。
「ううん。ほんまにそれだけ。」そうるはそう言って。キスしようとした。
「はぐらかさんといて。」あたしは言って。背を向ける。
思ってるやろ。ほんまは。あたしに。言いたいことあるやろ。
情けないとか。弱いとか。全然がんばれてないとか。思ってるんやろ。
・・・ドロドロした気持ちが。溢れて止まらなかった。

そうるは。あたしを背中から抱き締めて。諭すように言った。

サークルはサークルやで。分かってるやろ。
がんばってるあんたのこと見てないわけじゃない。
がんばってないなんか思ってへんよ。
悔しい気持ちとかもちゃんと分かってる。
全部分かってる。だから心配せんでええって。
うちはな。単純にあんたのこと抱き締めたいって思ってん。
がんばってるあんたのこと見てたら。どうしようもなく抱き締めたくなってん。
それだけやで。ほんまにそれだけ。それでもあかんの?

「・・・あかんくなんかない。」それがあたしの答えやった。

だめだ。あたしには。この人は愛しすぎる。
やっぱり。触れたい。触れられたい。抱きたい。抱かれたい。
最後には結局。そういう欲望が止められなくなってしまう。
そうるも同じ欲望を抱えてるんだと思うとたまらない。

それは自分を。そうるを。最も動物的だと思い知る瞬間。
そんな自分も。そうるも。少し怖いけど。キライじゃない。


そうるはあたしを押し倒して。服を脱がせて。
首筋から。全身に。優しく唇を這わせていく。
あたしもそうるを脱がせて。首に腕を絡める。
柔らかくて好きだと。そうるが言ってくれるあたしの胸は。
そうるに触れられて。幸せで。大きく波打つ。
ぽってりして好きだと。そうるが言ってくれるあたしの唇は。
そうるに吸われて。幸せで。濡れた声を漏らす。
そうるは。時折あたしと目があって。少し笑って。
すぐにまたマジな顔をしてあたしを貪る。
そして。あたしは。身を捩じらせて。喘ぎ続ける。

快感は押し寄せて。あたしの中で思考が消し飛ぶ。
なにかを話し合うはずが。どうしてこんなことになってるのか。
分からない。分からないけど。もう何も考えられない。
この快感に。そうるに。身を委ねていたい。

もっと。もっと近くにきて。そうる。
2人の間には何もいらない。
あんたの熱で。あたしの中の不安を溶かして。

抱かれながら。あたしはずっと謝ってた。
ごめん。ごめんね。無意識の中で。そう言い続けてた。
「ごめんじゃないって。」そうるはそのたびに。首を振って。
あたしの言葉を吸い取るように。唇を重ねてきた。


ねぇそうる。あたしはどうして謝ったんやろう。
なにがあたしをそうさせたんやろう。
よく分からんけど。久しぶりにあんたに抱かれて。
あたしは何も考えられんくなってた。
あんたの肌とか。熱とか。そういうのに溺れて。
あたしは。息も出来んくて。死んでしまうかと思った。
頭の奥が真っ白になって。一瞬あたしは「無」になってた。

そうる。快感って幸せやけど。時に怖いもんやね。





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