2006年01月06日(金)
我が家の息子は、外見上、何処から見ても、健康優良児っていう感じだけど、「心室中隔欠損症」という先天性の心臓欠陥をもっている。 不幸中の幸いで、自覚症状もなく、スポーツも日常の生活にも何の制限もないが、年に2回の心臓検査(1歳児までは月に1回)と今までに2度のカテーテル検査を必要としてきた。 この病気「小児慢性疾患」に指定され、20歳のお誕生月の末日までは、この病気に関する医療費は免除されている。(18歳からは新たに申請はできない) 成人すると障害者1・3・4級に認定されない限り、この制度からは外される事になる。 しかし、初期のうちに自然治癒するか手術でもしない限り、病気との付き合いは続くのであり、成人したからといって、検査が必要でなくなるわけではない。 従って、患者の方(親)は、年齢制限を引き伸ばす運動を長年してきた。 息子が生まれた頃でもこの運動があり、息子が成人する頃には・・・という期待もあった。 しかし、昨年4月1日から、児童福祉法の改正に伴い、重症患者と認定されなければ、医療費の一部を負担しなくてはならなくなった。 所得によって、上限が違い、息子の場合、5,750円が上限と認定された。。 昨年の夏、初めて、4,750円の一部負担をした。 暮れに、娘が肺炎の疑いがありということで、胸部レントゲンを取り、1週間分の薬を貰って2千円代の支払いで済んだことを考えると、4,750円は高額である。 軽症の息子は、レントゲン・心電図の他、診察室での簡単なエコー検査だけで薬の投与は一度もなくて、この値段ということは、上限ギリギリを支払わなくてはならない患者が多いと予想される。 しかもこの制度は国の指定では「入院」しか認めておらず、それ以上の範囲は各都道府県が助成しているため、地域によってバラつきがあるし、「助成制度」の手続きをするための「診断書」は、助成制度の対象にならない。 また、就学するようになると、どんなに軽症でも学校への診断書提出が義務付けられていて、この分の負担もかかる。
さて、今日、息子は20歳の誕生日(3月5日)になる前に最後の検診が終わった。 次回の検査からは、補助がなくなるので、幾ら請求される事になるのか。 また、カテーテル検査の事もある。 カテーテル検査は2〜3泊の入院が必要となるが、昨年の法律改正までは、数千円の医療費で済んだ。 今までの2回のカテーテル検査は、決して病状の悪化で検査が必要となったわけではなく、小学校に入学する前と義務教育を終えたあとという節目に検査があった。 これから一生カテーテル検査がない・・・ということはないだろう。 今日、医師からカテーテル検査の話はなかったが、同じ検査でも3月末日を過ぎるとその支払額に、雲泥の差が出てくる。 息子はカテーテル検査の段階で済んでいるからまだいい。 これが手術となると、入院期間も延びて、一部負担でも高額になる。
この改悪ともいえる「児童福祉法の改正」の原因は、たった一つ「財源の確保が困難」になってきたからだそうだ。 今は「一部負担」で済んでいるが、遠くない将来この制度自体がなくなるという動きもある。 しかし、世の中、政治家や官僚のお金に対する不祥事は後を絶たない。 また、イラクへの不必要な自衛隊の派遣の延長、郵政法案が通らなかったからと言って行った小泉首相の我侭な総選挙、社会保険庁関係の施設の整理・・・等々で、莫大な税金を無駄遣いしているではないか。 そういうしわ寄せが、いつも、弱いものに廻ってくるのである。
国民の義務である税金、一体どこに使えば一番いいのか、 政治家は原点に戻って、もう一度よく考えてほしいものである。
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