戯言。
-
2005年07月17日(日) 027.きみのてのひらにキス[パラレル/穴跡(!)]。
前回ぐだぐだ書いたパラレル設定の一部なので、意味不明なこと請け合い!(ぉ
*****
その場に立ち尽くす跡部のもとに歩み寄り、膝をつく。
力なく下ろされた手を取り、呆然と自分を見下ろすその青い瞳を見つめ、静かに告げた。
「お前に、俺の真名を与えよう」
「真名を?だが、それは」
真名を与える、それが何を意味するか分からない筈が無い。
そう聞き返そうとする跡部の声を遮り、先を続けた。
「分かってるさ。俺の力を、俺自身を好きに使え」
「契約を....と言うのか?」
驚きに見開かれた青灰色の瞳は、なんと美しいのだろうか。
「只人相手に?闇の眷属を統べる長が?」
只人などであるものか。
こんなにも自分を魅きつける存在が只人であるなどと、どうして言えよう。
「俺にはそんな価値など無い。俺は....」
何を言おうとしているのかは聞かなくてもわかる。
そんな事は些細なことだ。
重要なのは彼が在ること。
彼に出会うために自分は闇の眷属として生を受け、あの殺戮から逃れたのだ。
例え彼自身であろうと、自分を拒否することは許さない。
絶対に。
「お前は俺が。この俺が、選んだ主だ。たとえおまえ自身であろうと侮辱することは許さない」
そして、自分から逃げることも。
視線で暗に告げると、コクリと喉を鳴らす。
聡明な彼のことだ、もう逃げ道が無いということは理解している筈だ。
それでもまだ、応と言えないのなら。
「なっ....」
捧げ持った手を裏返し、掌に口付ける。
「我が名は"亮"。この名を以って、汝の僕となる事を請い願う」
次は、手の甲に。
「汝に永遠の尊敬と忠誠を」
立ち上がり、額に。
「友情を」
最後に、少しだけ上気した頬と再度見開かれた青い瞳を見つめてから、薄く開かれた唇に。
「そして、永久に変わらぬ愛情を与えよう」
青味が増した跡部の瞳から、一筋の涙が零れ落ちた。
「俺で、いいのか」
「お前がいいんだ、"景吾"」
「....ならば、望み通りくれてやるよ」
そう言って口の端を上げ、言葉を紡ぎだす美しいテノール。
「我は汝、"亮"を、その名を以って我が僕とする」
再度跪いた宍戸に歩み寄り、その頬に口付ける。
「我の名に於いて、汝への厚意と信頼を」
一瞬だけ逡巡し、瞳を伏せて唇に。
そっと、羽根の様に軽く触れて離れていった。
「そして....変わらぬ愛情を与えよう」
少し照れくさそうに微笑む。
その瞳に映る自分の顔も、穏やかなものだった。
暫し見つめあった後、気を取り直した様に跡部が自らの指先を噛み切り、血の滴る指先を自分に差し出した。
「この契約を以って、我が血に連なれ」
「御意」
差し出された指先に口付け、その血を舐め取る。
これまで味わったどれよりも甘い極上の甘露を味わい、舌先で傷を治癒する。
手の持ち主を見上げると、少しだけ困ったように微笑んでいた。
「もう、後戻りは出来ねぇぞ」
「する気も無いな」
傍らに立つ主を見下ろし、銀色の法衣に包まれた体を抱き寄せ、そのまま自らのケープに包み込む。
やっと見つけ出した我が半身、そう易々と手放すものか。
例え神であろうと、我ら2人を引き離そうとする者は許さない。
「....心せよ、神と呼ばれる者」
自分たちを見下ろす空を見上げ、艶然と、微笑んだ。
*****
ああぁぁぁぁぁッ!!!!!(大混乱
遂にやっちゃったよ、禁断の穴跡....でもこの設定だと絶対こーなんの。
とはいえ話の中の一部分になるんだろーけど。
だから跡部が何を言おうとしてたのかとか神がどーしたとか書いた本人も全然知らない、だって設定外(ぉ
勝手に奴らが口走っただけー(ぉ!
まーそんなワケで、運が良ければ話が広がる....はず。
ちなみに。
契約のシーンとか文言はテキトーだ。
映画とか小説とかをちらほら思い出しながら、なんとなくこんな感じだっけなーとザクザク進めてみた。
ま、ありがち設定だが自己満足だからいーのだ。