戯言。
2004年09月30日(木)  おめでとーなお題その1。

なんとか話が繋がったので、アップしてみる。

その前に注意書き。
かーなーり跡部家、捏造入ってるんで。
ヤツがハーフだったりしちゃ困る方は見ない方がいいかもなの。
あ、それと前回から繋がってますです。

*****

お題その1:[ご挨拶]

跡部と連れ立って部室を出た。
つい先ほどまで隙間も無いほどくっついていたせいだろうか、すぐ隣にいる筈なのに何処か遠くにいるように感じる。
思わず伸ばしてしまいそうになる手を、精神力で抑え込んだ。
彼は、外で触れ合うのをあまり好かない様だから。

「ほら」
「....何?」
「手、出せ」
「いいのか?」
「良くなかったら出さねぇよ」
「....ほんとに?」
「いらねぇなら」
「....っ!」

スッと引こうとした手は、物凄い速さで掴まれた。

「最初から素直にそうしとけ、バーカ」

普段ならそのようなことを絶対にしない跡部が、宍戸の手を握って歩き出す。
その手は、いつもよりも少しだけ暖かかった。

そして、久しぶりにやって来た跡部の家....いや屋敷は、相変わらずだった。

「今帰った」
「お帰りなさいませ」
「えっと....お邪魔します」
「宍戸様、ようこそいらっしゃいました。ご自宅とお思いになってお寛ぎ下さいませ」
「あ....お世話に、なります」

このやり取りは何度しても慣れない。
だが、執事の問いかけに悠然と答える跡部の姿はとても同じ年とは思えない程に大人びていて、目が離せなかった。

「戸....宍戸。おい、聞いてるのか?」
「え?!....あ、ああ何だ?」
「何ボケッとしてんだ。行くぞ」
「お、おう」

お前に見惚れてた、などとはとても言えず、そのまま跡部の後について行った。
ふと、呼び止められる。

「ああ、景吾様」
「なんだ?」
「先ほど奥様がお戻りになりました」
「母さんが?帰国は今週末じゃなかったか?」
「はい、ですが会議が延期になったとか。お顔を見せて差し上げてくださいませ」
「分かった。宍戸、てめえも来い」
「え....俺も?」
「ああ。母さんもてめえのことは気にいってるしな。行くぞ」
「おい、待てよ....!」

そのまま連れて来られたのは、跡部の両親の部屋。
軽くノックをし、入るように促され室内に足を踏み入れた。
そして部屋の奥から歩いて来たのは、何度か会ったことがある跡部の母。

"Hi, my dear!"

相変わらず、今年15になる息子がいるとは思えない若さだ。
そのまま軽くハグし、互いの頬にキスをする。
やはり家族だからだろうか、対する跡部の表情も常より柔らかい。

"Welcome home, Mom."
"Thanks.How was your day?"
"Fine.And you?"
"Not bad."

跡部の母はイギリス人なので、家族の間では英語を使うのが普通らしい。
そういえば最初にこれを見たときは驚きで言葉も出なかったっけ、などと思っていると、ふいに抱き寄せられ、頬に口付けられた。

「えっ....!」

自分を抱く、柔らかい体。
跡部より少し明るい色の、長い髪。
そして跡部に良く似た、整った顔。
その顔が満面の笑みでこちらを見つめているのだから、心臓に悪い。

"Hi, Ryo.Good to see you!"
「えっと....You, too.で、いいんだっけ?」
「ああ」
「Oh, sorry.リョウ、また会えて嬉しいわ。うちの息子が迷惑かけていなかった?」
「い、いえそんなことは。逆にこっちが世話になってばっかりで....」
「本当に?景吾は気を許した人にはワガママだから、やりすぎた時には遠慮なく言ってやってね」
「はあ....」

その言葉にどう答えたものか、と困っていると、ふいに後ろから引き寄せられた。

「もういいだろ?」
「あら残念、邪魔が入っちゃった。じゃあまた後でね、リョウ」

そう言ってまだ引き寄せられて、頬に口付けられた。
実はもなにもこの習慣、何度体験しても未だ慣れる事が出来ない。

「あの、えっと」
「本当に可愛いんだから。ねえリョウ、うちの子にならない?」
「....は!?」
「景吾も顔だけはいいから、可愛い孫が出来そうだし」
「.............ま、孫ぉ!?」
「母さん....あんまりからかうなよ」
「ふふ、ごめんなさい。でもうちの子になるっていうのは結構本気なんだけど」
「ああもう....行くぞ、宍戸」


[キスにまつわる厳選した5の御題]
お題提供元:「キスにまつわる20の御題」様

*****

その2に続く。

跡宍キスしてないじゃん、って突っ込みはしないでやって。
一応お題はクリアしてる....つもり。
なんか、語学が堪能だっつーのとあの容姿から、ヤツの親はどっちかが欧米人だと捏造してみた。
でもってどうせなら母親似だろう、と母さんをイギリス人にしてやった(ぉ
んで、実はこの話のキモは母を[母さん]と呼ぶ跡べーである。
母親の呼称、ものすっごく悩んだんだけど、執事さんの前だしってのもあって[母さん]と呼んでいただきました。
ちなみに文中の英語はかなりテキトーなので信じないように(爆
文中で宍戸さんが"Good to see you."に"You, too."と答えているが、確かこれでいいハズ。
"Good to see you, too."の略....じゃなかったっけ?
と言い訳してはみるものの、英語は壊滅的なのでまあ読み流してやって。


アニプリに関してはそのまま残しておこう。

ところで昨日、アニプリだったねぇ。
宍戸さんバースデーに萌え萌えしてて記憶の彼方にいってたさ。
いやもう綺麗サッパリ忘れてたよ....千石は勝てなかったらしい。
でも跡べーは出演したのだろうか。
レーダー(違)が動作しなかったところを見ると、出てても背景レベルだろうなぁ。
ひとつ残念なのは菊リョを見逃したこと?(ぉ


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