戯言。
2004年07月08日(木)  季節ネタ無理矢理捏造。

アニプリのあまりの鳳宍にいい加減腹立ったのと(ぉ)、そういや昨日は七夕だったなぁと思い出し捏造開始。
苦節1時間半、微妙なモノ完成。
ほんとはこないだ浮かんだクソ甘小ネタと一緒にマリアナ海溝にでも沈めちまいたいのだが、折角の季節ネタでもあるので晒すことにしよう。


*****

Jr.選抜合宿も半ばに差し掛かり、少しずつ疲労が蓄積されてきている。
特に昼間あれだけの試合をした宍戸と鳳は、自分たちの部屋で思い思いに身体を休めていた。
普段ならそれに加えてその日の練習内容や他の参加者についてなど話が弾むのだが、今日ばかりはそうもいかず、少しばかり気まずい静けさが漂っていた。

そんな中、彼らの部屋のドアをノックする音が響く。
全く同じ間隔で3回。
その音に宍戸が反応し、慌てて起き上がった....ように見えた。
ドアに近い所にいた鳳が答えを返し開けに行くと、見慣れた顔があった。

「宍戸、いるか?」

その声にまず反応したのは矢張りというかドアを開けた鳳。

「宍戸さんならいますけど....何か?」
「ああ、ちょっとな」

そう言いながらさりげなく鳳を押しのけて部屋の中へ入り込む。

「あ、跡部さん....!」

制止する腕も難なくかわし、宍戸の目の前で立ち止まった。
何の用だ、と言いたげな宍戸を見下ろし、いつも通り言い放った。

「宍戸、ちょっと付き合え」

否とは言わせない、とでも言いたげな視線に、宍戸は諦めたようにそっとため息をつく。
心配げに見つめる鳳に、誰かが来たら適当に言い訳をしておくように頼み、悠然と出て行く跡部を追いかけた。

連れて来られたのは宿舎の屋上。
確か立ち入り禁止で鍵もかかっていた筈だ。
そう問うたら「こんな鍵、誰だって外せる」という碌でもない答えが返ってきた。
それにどう返すかドアを眺めながら悩んでいると、「宍戸」と名前を呼ばれた。

「来いよ」

振り返ると、跡部が腕を広げて宍戸を見つめていた。
跡部の真意が掴めず、宍戸は不審げな声で聞き返した。

「....なんだよ、それ」
「そろそろ甘えたくなったんじゃねぇかと思ったんだけど?」

そう言い口の端を上げて微笑う。
少しだけすがめられた青い目は、宍戸だけに向けられる優しいもの。
何でこいつはこんなに自分のことが分かるのだろう、そう思いつつ跡部の思惑通りに動くのも癪だったので、敢えて否定した。

「ンな訳あるかよ」
「へーえ、じゃあ....」

仕方ない、と腕を下ろそうとする跡部にそっと抱きついた。

「でも、跡部がどうしてもって言うなら甘えてやってもいいぜ?」

本当は顔を見た瞬間にこうしたかった。
でも、ここで甘えたら自分は....そう思い必死に堪えてきたものを、跡部は簡単にブチ壊してしまう。
彼の腕の中は暖かくて、優しくて、もう抜け出したくなくなってしまうから。
だから、見ないように、考えないようにしていたのに。
全てを見越した上でこうやって甘やかしに来るのだ、この男は。
本当に底意地が悪くて....優しい。

「ったく....じゃあお願いしてやるよ、俺様に甘えろ」

そう言って、跡部は宍戸を抱き寄せる。
すると、腕の中に収まった宍戸は諦めたように大きく息をついて擦り寄ってきた。

「....そこまで言うなら、甘えてやるよ」

強がってはいたものの、本当は甘えたかったに違いないのだ。
多数感じる視線の中に唯ひとつ、縋るような視線。
それは跡部にしか分からない、宍戸の声。
勝ちたい、残りたい。
必要以上に緊張して、逆に疲労を溜めていく悪循環。
少しでもそれを減らしてやりたくて、自ら起こしにも行った。
起き抜けとはいえ鳳もいる場所で、ああも無防備に擦り寄ってきた。
それだけ心を許されているのだ、と嬉しく思いながらもその不安定さに心配は募るばかり。
実のところ、そんな宍戸を見ているのに耐えられなくなったのは自分の方なのだ。
本来ならこんな馴れ合いはするべきではないと分かってはいる。
それでも、どうしても放っておけなくて。


「なあ、跡部」
「なんだ?」
「その....さ」
「ん?」

妙に歯切れが悪い宍戸に、いいから言ってみろ、と視線で促す。
すると恐る恐る、口を開いた。

「....待ってて、くれるか?」
「てめぇを、か?」
「ああ....ダメか?」
「今更何言ってやがる」
「跡部?」
「今までも、これからも。待ちくたびれてジジイになっちまうぞ、俺様は」
「それは....困るな」
「分かってんならさっさと来やがれ、バーカ」
「善処する」

コツンと額を合わせて、約束した。

「だから、てめぇはてめぇらしく上がって来い」
「おう」

見つめ合い、互いに微笑んだ。
ふと空を見上げると、星が瞬いている。

「そういえば、今日は七夕だったな」
「そっか....今年は、星が綺麗に見えるな」
「ああ。そうだ、宍戸」
「なんだ?」
「願掛けでもしたらどうだ?代表メンバーに入れてください、ってな」
「ンな必要無えよ。俺は自分の力でメンバー入りしてみせる」
「いい返事だ」
「跡部は、願掛けしねえの?」
「俺か?そうだな、ひとつぐらいはしてもいいぜ?」
「テニスのことか?」
「違ぇよ....そんな自分で何とかできるような事じゃねぇ」
「そうだよな....そうだ、俺もあるぜ、願い事」

笹の枝も、色とりどりの短冊も何も無いけれど。
ずっと、互いの隣にいられますように。
寄り添い、頭上に広がる星空に願った。

*****

あ〜やっぱ意味わかんないよな〜これだけだと。
とりあえず宍戸さんはたま〜に甘えたさんになって欲しいなぁ、と。
でもって跡部様は宍戸さんがもんの凄く大事なんだなぁ、と。
いや過保護って言い切ってもいいけど(爆
あ〜も〜ヤダヤダ、仲良すぎ跡宍!(誰が書いてんだよ誰が
前回不幸にしちまった反動だろうか。

発端は「じゃあお願いしてやるよ〜」の跡部様セリフ。
でもって屋上の鍵ネタは菊リョ絡みというウラ設定。
気が向いたらこっちも書こうっと。


........................ていうか寝ろよてめえ(爆


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