……と言っても、決して有害物質が含まれていてとか、そういう話ではありません。 長野県内では結構多い、井水・山水をお使いの場合の、意外な落とし穴についてなのであります。 話は先日。 五年ほど前に、キッチンの工事をしたお宅の修理依頼が私たち夫婦に廻ってきました。 なんでも「結露が凄くて、湿気でキッチンの扉に貼ってあるゴムがはがれた」 ついては、ゴムを接着剤などで戻して、ついでに結露が出ないように保温などしてほしい、という内容。 自分で施行した現場ではありませんし、ささっと終わる修理だろうと軽い気持ちで向かったのですが……。 現場へついて、キッチンの扉を開けて、愕然。 底板が腐って落ちかけているじゃないですか! ゴムがどうとか心配している場合じゃないって!! 電話で聞いていたとおり、とにかく給水のほうの結露がひどい状態でした。 水漏れでもしてるのか? と思うくらい、給水管から水が滴っております。 さらに。 プラスチック製の排水のトラップ部分も、びっしり結露してびしょびしょ。 これを五年も放っておくなんて……! とりあえず、排水トラップも給水間もぎっちり保温材を巻いて帰ってきましたが。 あれは……いずれ本体を交換じゃないのか……!? せめて、最初の夏に結露が酷いと気づいた時点で、一本電話をくれさえすればと、 悔やまれてなりません。 私たち夫婦で施行したところは、キッチン内部の配管もヒーターを沿わせてあるので、当然保温もしてあるので一応安心なのですが、まさか、トラップ……。 いや、知らなかったーーー。 井戸水を使っている家もまだ沢山残っている信州では、水洗トイレなどでこの結露は問題になったりします。 給水管は当然のこと、水を溜めておくタンク(ロータンクと言います)、あるいは便器部分などが夏場にはびっしり濡れ、「水漏れしてるー」と慌てるお客さんも多いもので。 防露タイプと呼ばれる、発泡スチロールが内側に貼ってあるタイプを使用してても、水が冷たすぎると結露が出ちゃうんですよねー。 給水管は保温テープを巻けばOKとして、タンクや便器はどうしようもない。 窓を開けて換気を良くしてもらって、まめに水を拭き取ってもらうくらいしかないんですよ。 放っておくと、本当に床が腐ったりカビの原因になったりしますから、その点も要注意です。 素直に市水などに切り替えて、井戸水は外流しだけにするとか、 あるいはシステムキッチンでも使いたかったら、キッチンの天板に取り付けてある水栓に(内側で)繋ぎこむのではなくて、壁の外へ立ち上げて、単独で普通の蛇口を壁付けにするなどしたほうが、結露でキッチンが腐ったなんて事は起こりにくいかと思います。 という訳で。 次から井戸水を使うお宅でキッチンの工事をするときは、トラップ部分もしっかり保温しようと、心に誓った一日でありました。
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